ロンドン:イスラエルとパレスチナの間の紛争を解決し、人々が平和に共存できる2つの独立国家を樹立するという、後戻りのない道に今こそ着手すべき時であると、サウジアラビアの外務大臣は述べた。
ファイサル・ビン・ファルハーン王子は水曜日付のフィナンシャル・タイムズ紙に掲載された論説で、パレスチナ、イスラエル、そしてより広域な地域における長期的な安全保障を確保する唯一の実行可能な方法は、2国家による解決策であると述べた。
同王子は、サウジアラビア王国は、東エルサレムを首都とするパレスチナの独立国家樹立を支援するために不断の努力を続け、それが実現するまではイスラエルとの国交樹立を行わないと付け加えた。同氏のコメントは、サルマン・ビン・ムハンマド皇太子が最近、諮問評議会で行った演説でサウジアラビアの立場を再確認したことに呼応するものである。
ファイサル王子は、パレスチナの独立国家は、王国が求める地域的安定、統合、繁栄をもたらすだろうと述べた。今回の論説は、ここ数週間のイスラエルとレバノンのヒズボラとの紛争の急激な激化、そして火曜日のイスラエルに対するイランのミサイル攻撃を受けて発表された。
「真の平和の障害となっているのは、安定と共存を望むパレスチナ人とイスラエル人ではなく、むしろ公正な解決を拒否し、この紛争を地域全体、さらにはその外にまで広げようとする双方の急進派と好戦派であることを理解することが不可欠である」と彼は書いた。
「こうした過激派が我々の民族の未来を左右したり、戦争を強制したりすべきではない。穏健派の声は対立の喧噪を越えて高められなければならない。そして、その声が確実に届くようにすることは、私たち全員の責任である」
ファイサル王子は、パレスチナ人の自決権は当然の権利であり、サウジアラビアをはじめとする各国はパレスチナを主権国家として世界的に承認させるために努力していると述べた。王子は、これまで非公式にその意思を表明してきた国々に対して、公式に表明するよう促した。なぜなら、今こそ「歴史の正しい側に立つ時」だからである。
さらに、「パレスチナを単に承認するだけでは十分ではない。国際司法裁判所のオピニオンに沿って、より一層の説明責任を要求しなければならない。これには、国連決議の履行、パレスチナ国家の弱体化を狙う者たちへの懲罰的措置の適用、そしてパレスチナを支援する者たちへのインセンティブの付与が含まれる」と述べた。
ガザ地区への攻撃の継続、占領下のヨルダン川西岸地区における入植地の拡大、イスラエル当局による移動制限の適用は、「パレスチナの主権国家としての見通しを低下させる現実を生み出している」と述べた。
イスラエルの「妥協なき態度は、緊張を悪化させ、信頼を損ない、外交交渉をますます困難にし、双方の苦しみを長引かせ、この地域をより広範な戦争へと一層近づけている」と付け加えた。
王子は、パレスチナ自治政府への支援を呼びかけた。同自治政府は「容赦ない障害にもかかわらず、占領下のヨルダン川西岸地区の平穏を維持する」という忍耐力を示していると王子は述べた。
さらに、「非暴力と協力へのその献身は支持されなければならない。ガザ地区とヨルダン川西岸地区の両方がパレスチナ自治政府の統治下になければ、永続的な解決は達成できない」
「パレスチナ国家の樹立は、平和の副産物ではなく、平和の前提条件である。これは、暴力の連鎖を断ち切り、イスラエル人とパレスチナ人がともに安全と相互の尊重のもとに平和に暮らせる未来へと導く唯一の道である。これ以上、先延ばしにしてはならない」