• サウジアラビアのクラブであるアル・ヒラル、アル・ナスル、アル・シャバブが世界のサッカー界を変える
• トップクラブ民営化計画の発表は、新しい黄金期の到来を告げた

アリ・カーレド

クリスティアーノ・ロナウドが扉を開き、皆が後に続いた。 

サウジ・プロフェッショナルリーグ（SPL）を世界的に有名にするという1人きりのミッションは、ほんの数か月の間に、本格的な革命となった。 

それだけに、ブラジルのスーパースターであるネイマールが8月にパリ・サンジェルマンからアル・ヒラルに移籍した時、信じがたい出来事というより、計画の絶頂点であるように感じられた。 

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子による、サウジアラビアのトップクラブを民営化する予定だという発表は、王国のサッカー界の新しい黄金期の到来を告げるものとなり、リヤドの各クラブがその先頭に立った。 

ロナウドのアル・ナスルへの移籍に関する話題が最初に持ち上がった時、この報道は世界中で非現実的だとして一蹴された。2022年12月31日、サウジアラビアのサッカーへの認識は一夜にして変わった。 

突然、世界のトッププレーヤーの一部にとって、SPLへの移籍はただ興味をそそるだけでなく、ほとんど抗いがたいほど魅力的なものとなった。 

アル・ヒラルは、昨シーズンにサウジ・プロフェッショナルリーグとAFCチャンピオンズリーグのタイトルを失ったことを軽く考えるつもりはなかった。大規模な立て直しの中で、ポルトガルのルベン・ネヴェスがウルブスから移籍し、セルビアのセルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチがラツィオからやって来た。どちらもキャリアのピークにある選手だ。これにより、中東と湾岸協力理事会（GCC）加盟国のリーグはキャリア終盤に近い選手のための老人ホームだという議論が下火となった。 

チェルシーから移籍したセネガルのカリドゥ・クリバリと、ゼニト・サンクトペテルブルクから移籍したブラジルのマウコムも既にアル・ヒラルに加入しており、その後にネイマールの記念碑的な移籍発表があり、続いてモロッコのゴールキーパー、ヤシン・ブヌ（元セビージャ）とセルビアのフォワード、アレクサンダル・ミトロヴィッチ（元フラム）が加入した。 

海外選手の大量獲得を開始したアル・ナスルでは、バイエルン・ミュンヘンからサディオ・マネ（セネガル）、インテル・ミラノからマルセロ・ブロゾヴィッチ（クロアチア）、RCランスからセコ・フォファナ（コートジボワール）、マンチェスター・ユナイテッドからアレックス・テレス（ブラジル）が、ロナウドの脇役ではなく本物のスターとしてリヤドにやってきた。 

夏の終わりの移籍期間にスペインの国際的ディフェンダー、アイメリク・ラポルテをマンチェスター・シティから、ポルトガルのミッドフィルダー、オタヴィオをポルトから獲得したことにより、今シーズンのチャンピオンを目指すアル・ナスルの取り組みはますます強化されるだろう。 

リヤドを拠点とするアイコニックな3クラブの最後のひとつ、アル・シャバブは、SPLの2022-2023シーズンを4位で終えており、シーズン中の長期にわたって正真正銘の優勝候補と目されていた。 

ベルギーのヤニック・カラスコが、アトレティコ・マドリードから移籍して加入しており、既に2020年からアル・シャバブで素晴らしいキャリアを積んでいるアルゼンチンのエベル・バネガと中盤での連携を構築するだろう。 

一方、コロンビアのミッドフィルダー、グスタボ・クエジャルはライバルであるアル・ヒラルで優勝を経験した4年を過ごしたのちに、アル・シャバブにやってきた。 

この世界的トリオの背後でゴールを守るのは、昨年アル・シャバブに加入した韓国のキム・スンギュだ。 

昨シーズン、ロナウドがサウジ・プロフェッショナルリーグは数年間のうちに世界のトップ5に入るリーグになるだろうと述べた時、皮肉屋たちはこの宣言をあざ笑った。 

彼の言葉は、彼自身が予想していたより早く本当になるかもしれない。なぜなら、今では世界の放送局が毎週SPLの試合をライブ中継していて、世界的なプレーヤーたちはますますリヤドを新たな拠点にしようと思うようになっているからだ。