• それの主な目標は、ネット上での子どもの保護を強化するためのベストプラクティス、政策、プログラムの開発を支援することである。

ハーラ・タシュカンディ

リヤド：世界中の子供たちのために安全なサイバー空間をつくりだす新しいプログラムは、ネット上での子供たちのセキュリティとプライバシーを保護するために「最も重要である」とサイバーセキュリティの専門家は言う。

「インターネットは知識、教育、娯楽、発達に大きな利益をもたらすことができますが、ネットいじめ、暴力、ハラスメントなどの多くの危険に子供たちをさらします」と、キングサウード大学のサイバーセキュリティ学教授であり、グローバルファウンデーション・フォー・サイバースタディアンドリサーチの創設者およびCEOであるムハンマド・クラム・カーン博士は、アラブニュースに対し語った。

国家サイバーセキュリティ局（NCA）は、国連の情報通信技術専門機関である国際電気通信連合（ITU）と協力して、グローバルプログラムを開始するための戦略的パートナーシップ契約に署名した。

「この協力は、ネット上の子供を標的としたサイバー犯罪を減らし、サイバーリスクを根絶・報告するために必要なデジタルスキルを保護者に授けるという戦略を支えるでしょう」と彼は述べた。

NCAのハリド・ビン・アブドラ・アル・サブティ局長と、ITUの電気通信開発局長であるドリーン・ボグダン・マーティン氏は、12月17日、スイスのジュネーブにある連合の本部で協定書を作成した。

式典には、サウジアラビアの在ジュネーブ国連大使であるアブドゥル・アジズ・アル・ワセル特使、NCAの国際協力担当副総裁であるマジッド・ビン・モハメッド・アル・マジッド氏など、双方の代表が出席した。

サイバーセキュリティについての意識を高め、オンラインの安全をたもつスキルを子供たちに与えることは、インターネットの利用中に晒される可能性のある危険性を考慮すると、差し迫った世界的なニーズであるとカーン博士は述べる。

「テロリストや過激派のグループは、悪意のあるイデオロギーによって子供たちに害を加える可能性があり、そういったものから子供たちを守ることもまた重要です」と彼は言った。 「実際、このイニシアチブは、グローバルな能力開発に向けた画期的なステップであり、子供のオンライン安全の問題への取り組みにおける利害関係者に力を与えるものです。」

このプログラムは、今年2月にリヤドで開催されたグローバルサイバーセキュリティフォーラム（GCF）で発表された、モハメッド・ビン・サルマン皇太子が後援するイニシアチブの一環としてつくられた。

その主な目標は、子供を標的としてサイバー犯罪の危険にさらす脅威の増大にあわせ、ネット上の子供を保護するためのベストプラクティス、政策、およびプログラムの開発をサポートすることである。

ITUの事務総長である趙厚麟氏は、サイバー空間で子供たちを保護するための国際的な活動を支援するというサウジアラビアの役割を称賛し、皇太子のイニシアチブを含むこの分野でのサウジアラビアの努力に対して謝意を表した。

NCA-ITUパートナーシップは、以下の支柱をもとに構築されている。すなわち、関連する政策の評価、開発、改善における各国への支援、意識向上キャンペーンの開始、開発途上国における児童保護に関する議論の充実化、各国の児童保護プログラムの制定を支援するタスクフォースの設立である。

このプログラムは、サイバー空間で子供たちを保護するためのガイドラインの翻訳と普及などといった成果物をもたらす。これらのガイドラインは、50を超えるグローバルな事業体によって開発され、20以上の言語で共有される。

このプログラムは、国連公用語（アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語）で、50を超えるグローバルトレーニングコースを提供する。

プログラムの実施をフォローアップするために、500を超える公開相談会が開催される予定である。ネット上の子ども保護ガイドラインの制定を支援し、ネット上の子どもの保護に役立つスマートフォンアプリや教育ゲームの開発方法を指導するため、「トレーナーのトレーニング」が世界中で提供される。