
ジェッダ: タイフ市には、独特なリズムが特徴の「マジュール・ダンス」など独自の民俗文化からなる豊かな伝統がある。マジュールはマッカ県で最も人気のある芸術の1つとなった。
アラビア半島の数ある古代芸術の中で、タイフに暮らしていた人々は抜きん出ていた。マジュールという名前はタイフの人々を強く連想させるようになり、ついにはこの踊りは「タイフのマジュール」として知られるようになった。
複数の研究結果によると、この踊りは古代サキーフ族の習わしだったという。タイフ周辺に暮らす部族の一部(トゥワイリク、アル・ノモール、バニ・スフィアン、アル・アシュラーフ、サキーフ族の周辺で暮らしていた部族など)が、マジュールを受け継いでいる。
マジュールは、ドラムのリズムや弦楽器「タール」の音に合わせて歌ったり、別な踊りを組み合わせたりするもので、民族固有の特徴を備えた独特な文化遺産となっている。
タイフではマジュールのない行事や祝宴は皆無に等しい。
パフォーマンス中、15~20人で構成されるマジュールの一座は「アル・ハウィシ」という衣装を着て2列に分かれる。アル・ハウィシは幅広の白いワンピース型の服で、腰には実弾入りのベルトを巻く。
まずリズミカルな太鼓の演奏で始まり、続いてタールの演奏が始まり、次に一座が単調な動きで合わせて、ドラム・タール・マジュール一座の動きが3層に折り重なる。その後片方の列が最初の一節を歌い、終わると、列の動きとタールの演奏が再開し、もう片方の列が同じ一節を繰り返し歌う。
この手順は各一節ごとに2回繰り返され、歌詞をすべて歌い終わるまで続く。歌っていない方の列から踊り手が1人抜けて、2つの列の間をゆっくりと優雅に移動する。太鼓のリズムに合わせて、座ったり、立ったり、体を揺らしたりなどだ。踊り手が抜けた列の人々は踊り手の動きに合わせて動く。踊り手はリズムを変化させ、「キスラ」というリズムに従って動く。
ナジュラーン州の民俗舞踊「アル・ザミル」
イスラム教の祝日「イード」などの祝祭が訪れて喜びの兆しが現れると、ナジュラーン州の人々は民俗舞踏を披露して、希望・愛・友好といった感情を呼び起こす。
ナジュラーン文化芸術協会・民俗委員会のマスード・ビン・アブドラ・アル・ザフーフ委員長は、ナジュラーン州の民俗芸能はこの地域の多様な文化遺産を反映していると語った。
アル・ザフーフ委員長は、ナジュラーンの人々がイードの期間中にさまざまな民俗芸能に参加していると付け加えた。その1つアル・ザミルでは、男性の一座が1列に並んで、詩の一節を唱えると別の一座がこれに応える。
「アル・ラズファ」という舞踊もあり、こちらはリズムなしで踊る。一座が2列に分かれて一節を交代で唱える。片方の列はもう片方の列の方向と同じか反対方向に動き、その間、時折真ん中に2人が飛び出して踊る。
アル・ザフーフ委員長は、ナジュラーン州で最も有名な民俗芸能に「アル・ムラエイ」と「アル・トブール」があり、祝祭日や特別な日に披露されると説明した。メロディーとリズムを組み合わせ、グループでアル・ラズファと同じスタイルで踊って、詩の一節を交代で繰り返し唱えながら披露する。
アル・ザフーフ委員長は、ナジュラーン州の北部各県は「マスローサ・ダンス」が有名だと付け加えた。独特のメロディーがあり、輪になって踊るもので、1人が真ん中にいて踊り手たちは見事でリズミカルな動きを披露する。
国営サウジ通信(SPA)