
ダオウド・クタブ
フィラデルフィア: 最近の世論調査によれば、アメリカ人の過半数がパレスチナ国家を支持しており、イスラエルがアメリカの政策に反して植民地化を進め続けるのであれば支援の調整を行うべきだと考えていることがわかった。
アラブアメリカンインスティテュート(AAI)によりオンラインで行われた調査には1,000人以上のアメリカ人が参加した。5月27日に公表された調査結果は、アメリカ国民全体ではより中立な姿勢へと移行している一方、民主党は共和党に比べてかなりパレスチナを支持する姿勢が強いことを示した。
アメリカ人全体の3/4近くがパレスチナ人とイスラエル人には同等の権利があると回答。民主党支持者では80%、共和党支持者では67%がそのように答えた。
回答者全員の半数近くがイスラエル・パレスチナ紛争の解決策としてパレスチナ独立国家を含む二国家共存案を支持、反対は12%にとどまった。
AAIの創設者兼会長のジェームズ・ゾグビー氏はアラブニュースに、この変化はここ数年で少しずつ起こってきたものだと話した。
「アメリカのメディアはパレスチナ人の声を報道するようになってきている。議会にもパレスチナを支持する発言が受け入れられ始めており、極端なイスラエル支持派として知られる民主党議員ですら言葉を選ぶようになっている。新しい世代の国民が変化を率いているんだ。そこには、伝統的なイスラエル支持の立場から離れてきたプロテスタント信者も含まれる」と、ゾグビー氏は語る。
全体としても、アメリカ人はイスラエル人(58%)とパレスチナ人(39%)両方に対して好意的な見方をしている。
民主党支持者と共和党支持者はどちらもイスラエル人に対しては非好意的な見方よりも好意的な見方が強い一方(民主党支持者では好意的46%、非好意的21%。共和党支持者は好意的30%、非好意的40%)、パレスチナ人に対する見方は異なっていた(民主党支持者では好意的51%、非好意的14%。共和党支持者は好意的30%、非好意的40%)。
ゾグビー氏曰く、「民主党を支持する人々がパレスチナ人に対してイスラエル人にたいしてよりも好意的な見方をするようになったことは注目に値する」。
見解の相違の最も良い例が、民主党の進歩派だ。
アレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員、イルハン・オマール議員、ラシダ・タリーブ議員などが進歩派の中心となり、現在、民主党内ではパレスチナ問題への関心が高まっている。チャック・シューマー上院院内総務やニュージャージー州のボブ・メネンデス上院議員などイスラエル支持を貫いてきた民主党議員ですら、発言を和らげている。民主党を支持する有権者の変化をはっきりと感じているためだ。
また、見解の相違は最近のイスラエル人とパレスチナ人の間の衝突についても見られる。全体では30%の回答者がイスラエルのガザに対する武力攻撃は「やり過ぎ」、24%が「適切」、11%が「不十分」と答えた。民主党支持者の方がイスラエルの武力攻撃が「やり過ぎ」とする割合は多かった(43%)。
民主党内での意見の相違はよりはっきりしている。調査では51%がイスラエル軍によるパレスチナ人の強制退去は間違っていると回答し、26%がイスラエルを支持した。共和党内での意見の差は小さく、37%がイスラエルの強制退去を支持し、33%が批判した。
回答者全員のうち43%が武器販売の停止を主張する民主党議員を支持する一方、32%がジョー・バイデン大統領のイスラエルへの精密誘導兵器承認を支持した。
民主党支持者では過半数が武器販売を阻止する努力を支持(52%)し、27%がバイデン大統領の武器販売承認を支持した。一方、民主党支持者では武器販売支持が42%、反対が35%だった。
ゾグビー氏はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とドナルド・トランプ元アメリカ大統領の親密な関係が、この支持率の変化につながったと考えている。
この変化は、パレスチナ人の語る伝え方に大きな改善が見られるようになったことに関係しているとゾグビー氏は語る。「パレスチナ人は自分たちの物語をより良く伝えるやり方を覚え始めている。ひとつにはSNSの効果、そしてまた、今はパレスチナ指導者に縛られていないからということもあるだろう」と、ゾグビー氏。