


メッカ:サウジアラビアの紅海にあるサンゴ礁の鮮やかな虹色とそれが生息する周辺環境が、ダイバーや写真家たちを魅了している。
サウジの49歳の検査技師であるアリ・バクタオウル氏は、写真撮影とスキューバダイビングへの情熱から、紅海の海中にある感動的な画像を写し撮りたいと思っている。
バクタオウル氏は2007年にスキューバダイビングを始めたとき、すでに写真撮影を趣味としていた。
サウジアラビア北西沿岸部のハクルに住むバクタオウル氏は、子供の頃から毎日のように友人や家族と海へ向かい、長年にわたって海との特別な関係を持ってきたとアラブニュースに語った。
スキューバダイビングをする彼は、紅海の神秘を発見し、新たな場所を求めて何日も航海しながら、サンゴ礁の美しさを目の当たりにする。
海への熱い思いから彼は、水中写真を撮影するようになった。「私は紅海の環境を撮影するのが大好きです。ここは世界でも有数の美しい海洋環境なのです。生物多様性、サンゴ礁、そして外洋から遠く離れていることの重要性です」とバクタオウル氏は語った。
「他のスキューバダイバーたちと共に、海に出て、海中に潜って長時間撮影をします。撮影には綿密さ、柔軟性、また静けさを要します」と彼は言う。
「私たちは1万ドル以上するプロ用カメラを使い、紅海の中のあらゆる細部を写真に撮りますが、規模の大小にかかわらず、その美しい色彩、均質性、種の多様性、そしてその暮らしぶりなどに触れたとき、全能の神を讃える気持ちになります。それは一種の瞑想のようなものです」
バクタオウル氏は時には水深120フィートまで潜ることもあったが、水中撮影は、照明が必要であったり、撮影する海洋生物の問題があったりで、60フィートを超えるのは不可能だ。忍耐と配慮を必要とする繊細な作業なのだ。
そして、水中撮影には危険が伴うものであることは、バクタオウル氏も撮影中に自身が激しい潮流の中を潜っていた際に体験した。
「カメを追って撮影に気をとられていた私は、間もなく、自分が海岸からかなり遠いところにいて、船からも予想以上に離れていることに気づきました。ある領域へと超えてしまってはならないことを忘れ、非常に深いところにいて、仲間たちのライトもほとんど見えなくなっていました。私は、仲間たちを追おうと急いで海岸に戻りました。刺激的でもあり、怖くもある体験でした」
バクタオウル氏は、ポーランドの一団と紅海を調査する連続7日間の海中写真撮影隊に参加した際には、別の意味で刺激的な体験をした。
海中での冒険には数々の困難もあったが、至るところに美しさがあったと彼は言う。
例えば、ラスモハンムド自然保護区の海中深くにある、軍用機器を完備したある英国艦艇に、彼は長年魅了されてきた。そこは最も重要な自然保護区で、その手つかずの状態と海洋環境や動植物の多様性で知られる海域だ。
バクタオウル氏の夢は、紅海の海洋生物のドキュメンタリーを撮影し、それを学術的な参考資料として、多くの驚異に満ちた理解を深めるのに役立ててもらうことだ。