ラマ・アルハマウィ
リヤド:FoodsGate社のCEOサアド・アルドレエス氏はサウジ人への支援に取り組み、心に残る顧客経験の提供を通じてサウジ国内の世界料理の水準
向上を図っている。
FoodsGate社はリヤドの人気日本料理店Tokyoを買収したのちに2012年に設立された、家族経営の飲食企業である。
以来、同社はCEOのサアド・アルドレエス氏が言うところの「お客様の生活に違いをもたらす」ことを目標に掲げ続けている。
「FoodsGateはゆっくりながらも確実に叶いつつある夢なのです」とアルドレエス氏は語る。
氏は10歳くらいであった1995年に初めてTokyoで食事をし、その料理が「すばらしかった」と言う。
「Tokyoには毎週通っていて、いつかこの店は私たちのものになるのだとと父に言っていました」
Tokyoを買収した2012年からアルドレエス一家の夢が始まり、以来1985年の開店当時の本格的な品質を維持してきた。
そして今、同社は現在抱える3つのブランドとプロジェクトでさらなる事業の拡大を図っている。拡大することで、サウジの人々に高品質な料理を提供する以外に、飲食・料理業界のサウジ国民を支援することも目標としている。
FoodsGateは単なる飲食ブランドに留まらず、「お客様一人ひとりにとって忘れられない経験を提供する」ことを目指す企業である。
アラブニュースはCEOサアド・アルドレエス氏にインタビューし、顧客に忘れられない経験を提供する上で必要なことは何かと尋ねた。氏は「雰囲気とサービス」が来店する顧客の全体的な満足感にとって大きな役割を果たす一方、「払ったお金に見合った価値があると感じられること」も重要だと語った。
同社はビジョン2030に掲げられた、飲食業界で働くサウジ国民を支援するという目標に貢献することを目指している。FoodsGateはリヤドのHotel and Tourism Institute of Switzerlandと提携し、リヤドとジャザンでサウジ人女性21人、サウジ人男性40人に向けてFoodsGate傘下のレストランで働くための研修を行う。
女性の研修本部はリヤドに、男性の研修本部はジャザンにある。
サウジ人女性シェフの第一陣は1年間の研修プログラムを来年修了し2月に卒業予定で、男性陣は2023年6月に終了する2年間の研修プログラムに参加中だ。
卒業後、シェフらはFoodsGateのセントラルキッチン施設、および今後5年間で拡大が予定されるブランドの一部で働くことになる。
FoodsGateが設立された2012年当初、サウジの飲食シーンの選択肢はまだ非常に限られており、地元客の行きつけはアメリカ系のフランチャイズ店がわずかに存在しただけであった。
「投資家や起業家が飲食業界に進出し始めた2015、2016年にブームが始まりましたが、当時の主なブランドはアメリカ系のブランドやフランチャイズでした」
今ではサウジ人が外食に求める水準も高くなり、サウジ国内の世界の料理や飲食経験に求められるレベルも上がった。
アルドレエス氏はサウジの消費者行動の変化について、消費者の「啓発的旅路」と表現する。
「以前と違って多くの人が旅慣れてきて、様々な異文化や料理、レストラン、背景に触れるようになりました」
これにより2016年頃の飲食業界ブームが起こり、FoodsGateのKimono、Irori、Tokyoを含む多数のブランドや多国籍レストランへの事業拡大が後押しされることになった。
消費者が変化し、さらに高いニーズが生まれたため、FoodsGateは市場ニーズに応えさらにIroriとKimonoの2つの日本料理店をオープンさせた。
Tokyoは1985年のオープン以来常に本格的な味と高い品質を提供し続けていることで称賛を受けている。長年にわたり高い品質を維持できている理由についてアラブニュースがアルドレエス氏に尋ねると、氏はすべてスタッフのおかげだと語った。
「現場のスタッフたちが品質を維持してくれているヒーローなのです。それがなぜ実現しているかといえば、スタッフを大事にすればスタッフも商売を、そしてお客様のことも大事にしてくれるからです」
FoodsGateは今後5年間で、サウジでアジア料理以外の国際ブランドを新たに展開しようと目論んでいる。CEOはサウジで3本の指に入る飲食企業になることが目標だと、自信を持って語った。
アルドレエス氏は家族的価値観に基づき事業運営をしていることに誇りを持ち、「ひとつの大家族としてお互いを扱うのです。名字が何であろうと関係なく、当社のビジネスに、そしてこの会社にどう貢献できるかということが大事なのです」と語る。