
アラブニュース
ジェッダ: サウジアラビアの保健専門家によると、コロナワクチンの3回目の接種は不必要だという。
「2回のワクチン接種で重症化、入院、死亡を防げるのであれば、一般住民が3回目の接種をするというのは意味のないことです」と、予防医学担当の副保健大臣、アブドゥラ・アシリ医師は語った。
アシリ氏は感染症コンサルタントでもあり、次のように付け加えた。「ワクチン接種率が高い現段階では、COVID-19の実験室での検査方法や理論的根拠を再検討し、パンデミックを社会的な疾病負担の観点からのみ判断することが必要です」
一般住民に対してファイザー社およびバイオンテック社のコロナワクチンのブースター接種を行うとともに、65歳以上およびその他の脆弱な人々に対して3度目の接種を行うという案が報道された。上記のコメントはそれを受けて出されたものである。
同時に、感染症専門家のアハメド・アル・ハカウイ氏は、全員に対する3回目(ブースター)の接種を承認して欲しいという要求が加速しているが、同氏が引用した研究では裏付けられていないと述べた。
「mRNAコロナワクチン『BNT162b2』の6ヶ月間の安全性と有効性」と題する研究論文が9月15日に公開された。これは6ヶ国の152箇所で45,000人以上の被験者を対象に行われたものである。
この研究は次のように結論付けている。「6ヶ月に渡って経過観察を行ったところ、ワクチンの有効性は徐々に低下しているにもかかわらず、BNT162b2は良好な安全性プロファイルを有し、COVID-19の予防に高い有効性を示した」
「このワクチンは2回目の接種から6ヶ月後であっても重症化を防ぐ効果を持っています」と、アル・ハカウイ氏は語る。氏はリヤドの病院疫学者でもある。
サウジ保健省によると、土曜、サウジアラビアでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者が68人記録され、確認済みの合計感染者数は546,479人となった。
土曜のケースでは、20人はメッカ、17人はリヤド地域、そして7人が東部州となっている。ハーイルとナジュランはそれぞれ1人ずつで、最少感染者数の地域となっている。
新規回復者は77人報告され、総計535,450人となった。
高い回復率により、現感染者数は2,373人へと減少し、そのうち361人が集中治療中となっている。
過去24時間で5人が死亡し、合計死亡者数は8,656人となった。
サウジ王国では4,070万回以上のコロナワクチン投与が行われており、1日あたり201,505回というペースである。
このペースであれば、サウジアラビアは10月31日までに人口の70%が完全にワクチン接種を済ませることができる。
サウジ保健省によると、王国の全地域の587箇所のセンターで予防接種を行っているという。まだワクチン接種を受けていない人には接種するよう呼びかけが行われている。
同省は、市民や居住者が予防対策を遵守するとともに、ワクチンを接種するために「Sehhaty」アプリに登録するよう改めて呼びかけた。
一方、全国各地に設置された検査会場や治療センターはパンデミックの発生以来、何百人もの人々を助けてきた。
Taakad(確認)センターでは、無症状者、軽症者、あるいは感染者と接触したと思われる人を対象にCOVID-19の検査を行っている。
Tetamman(安心)診療所では、発熱、味覚や嗅覚の消失、呼吸困難などのウイルス症状のある人を対象に治療やアドバイスを行っている。
両サービスの予約は同省の「Sehhaty」アプリで行うことができる。