


アセール・バシュラヘール・スワル
あるサウジアラビアの大学が、水曜日に行われた同国初の自動運転バスの発表により、自動運転車に向かう全世界的な取り組みをリードしている。
2台の自動運転シャトルバスには「Olli」「EZ10」という愛称が付けられ、キング・アブドゥッラー科学技術大学(KAUST)のキャンパスで試験運行が行われることになっており、来年早くに学生・教職員の通勤通学向けの定期的なサービスを開始することを視野に入れている。
この輸送機関構想は、KAUST、デジタル自動車メーカーLM (Local Motors) Industries、自動運転テクノロジーの会社EasyMile、サウジ公共交通会社(SAPTCO)の共同プロジェクトの結果である。
シャトルバスは、スワルの大学敷地内で行われた特別セレモニーで発表された。
KAUSTのデジタル体験・イノベーションセンター長のムハンマド・アブデル=アールは、Arab Newsに以下のように伝えた。「このシャトルバスは電気駆動で、石油ではなくバッテリーで走行します。インターネットに接続され、中央制御センターと繋がっており、自動で、ひとりでに動きます」。
OlliとEZ10は、カメラとセンサー技術を用いて、周囲の状況を感知する。
「シャトルバスのひとつ、Local MotorsのOlliは、車体とその構成部品の多くが、なんと3Dプリンターでつくられています。これらのシャトルバスは、複雑な製造過程を必要としないので、とても速く生産することができます」とアブデル=アールは話した。
彼は、KAUSTは現在、いかにすればサウジアラビアは自動運転車の進歩から恩恵を得られるかという議論に関与している、と付け加えた。
サウジアラビアのバス会社SAPTCOは、必要になった場合には自動運転シャトルバスの認可事業者になるものとして、このプロジェクトを支援している。
「大学としてのKAUSTにとっては、この発表によって、これらのシャトルバスのコンセプトを試験・共同開発・共同設計することができ、生ける研究所として行動することができます。KAUSTは、これらのシャトルバスを制御された環境で試験・調査することができますし、我々が学んだことは何でも、外のより大きな都市や地域に広げることもできます」とアブデル=アールは付け加えた。
発表イベントのあいだ、KAUSTのスレイマン・アル=スナヤン政府業務部長が、サウジ税関やキング・アブドゥル・アズィーズ国際空港といった政府部門に対し、比較的急な通知でスマートシャトルバスの営業に正式な認可を与える手助けをしてくれたことに礼を述べた。
「KAUSTは常に確実にVision 2030の実現に痕跡を残してきました。そして、これもそのことを示すひとつのイニシアチブです」と彼は付け加えた。
KAUSTの最高情報責任者であるジェイソン・ルースは、スマートな解決策を見つけるというアイデアは約6ヶ月前に出てきたと話し、「ドローン、自動運転車から、セキュリティについては、デジタル没入体験に至るまで」その他のイニシアティブやプラットフォームを生み出してきた。
KAUST Smartのようなプロジェクトは、組織や部門の間の障壁を壊す一助となった。そして、「世界の他のどこでも成され得ないような物事がKAUSTで起こる」ことを確実にしてきた、とルースは付け加えた。
「これはバスに関することではありません。これは、新しい産業、自動運転車、KAUSTが開発に携わるテクノロジーという素晴らしいことなのです」と、同大学のイノベーション・経済開発センター副長のケヴィン・カレンは話した。
同センターは、KAUSTで行われる研究をコミュニティでの利用に供する責任を負っている、と彼は付け加えた。
KAUSTのCEOであるトニー・チャンは、この発表は、12月13日に同大学が10周年を迎えるという絶好のタイミングに行われたと話した。
シャトルバスは今後試験走行が行われ、順調であればKAUSTの学生と従業員向けの走行サービスが1月に始まる。