
タリーク・アル・タカフィ
メッカ:サウジ国立植生開発・砂漠化対処センターによると、サウジが最近始動した国立公園プログラムは国内・国外から観光客を誘致することで環境や地元コミュニティに恩恵をもたらし、サステイナブルツーリズムを推進するという。
同センターが今回発表したプログラムには5年間で100の国立公園を設立し、王国の自然美の宝庫を公開する計画が含まれる。また、サウジグリーンイニシアチブの一環として樹木5千本の植林も含む。
同センターのスポークスマン、アブドゥルラーマン・アル・ダクヒル氏は、同プログラムは王国のビジョン2030開発・多様化プロジェクトおよびサウジグリーンイニシアチブのゴール達成に役立つと語る。
同センターは植林事業とサステイナブルエコツーリズムの取り組みを支援すると同時に政府機関との提携により環境保護を助けることで国立公園プログラムを推進・開発することになると、氏は付け加えた。
「このプログラムは段階を踏んで実行され、第一段階では100の国立公園をサステイナブルなランドマークに転換することを目標にします。それから、その後の段階やゴールへと進みます」とアル・ダクヒル氏はアラブニュースに語った。
「どの公園の開発においても、観光と環境のバランスを達成することが最も重要な基準のひとつとなります」
野生の樹木の植林はセンターのスタッフとともに環境団体・組織の職員によっても行われる。
国立公園開発のために割り当てられた土地の一部には特別な歴史的、文化的、地学的、または考古学的な重要性を持つ場所がある。このプロジェクトにはリヤド北西に位置する、約1.8億年前にできた「世界の果て」(Jebel Fihrayn)や、別名サイサドダムとしても知られる古代のムアーウィヤダムなど、王国の最も重要な名所が含まれる。
環境グリーンホライズンソサエティ会長のアブドゥルラーマン・アルソキール氏によると、王国は現在緑地保全および植林拡大の取り組みに注力する環境ルネッサンスのさなかにあり、世界的に注目されているのだという。国立公園プログラムはこのグリーンルネッサンスの一部なのだと、氏は付け加えた。
「全国に散らばる広大な手つかずの政府所有地を保護し広大な緑化保全地へと転換を図る上で、土地を国立公園用に割り合てていくのが重要な最初の一歩となります」と、アルソキール氏はアラブニュースに語った。
国立公園の設立・維持には過去数十年間で著しく劣化した植生の保全などのメリットがあると氏は語る。また、砂嵐の程度の軽減、気候の改善、そして緑が増えることで景観も美化されることから生活の質も向上する。
また、野生植物のなかで育つミツバチが作るハチミツなど、公園で育つ植物から製品も生まれる。
公園近くの地元コミュニティにとっても雇用や投資機会の増大、生物多様性の改善、絶滅危惧種動植物の保護、そしてエコツーリズムやレクリエーションの選択肢の充実などの恩恵を得ることができる。