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サウジアラビアのイメージを塗り替えるギガプロジェクト

ギッディーヤ(Qiddiya)はリヤドのエンターテインメント、スポーツ、文化の拠点となる予定だ。(サウジアラビア王宮/AFP)
ギッディーヤ(Qiddiya)はリヤドのエンターテインメント、スポーツ、文化の拠点となる予定だ。(サウジアラビア王宮/AFP)
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22 Sep 2022 06:09:25 GMT9
22 Sep 2022 06:09:25 GMT9
  • 観光、エンターテインメント、冒険の目的地として、インフラ投資を行う
  • イノベーションとサステナビリティを原動力として、経済成長とデジタルインフラの発展を目指すプロジェクトである

ラワン・ラドワン

ジェッダ: 6年余り前、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、サウジアラビアを変革する社会・経済の詳細な計画を公表した。その計画「ビジョン2030」は、活力ある社会の実現、経済の抜本的見直し、石油への依存度の低減を掲げていた。

サウジアラビアの転換点として、テクノロジー、イノベーション、サステナビリティを原動力とする全く新しいセクターのための中心的な役割を果たし、経済成長を刺激し、サウジアラビアのデジタルインフラを発展させるべく、いくつかの「ギガプロジェクト」が始動した。

ディルイーヤ

サウジアラビアの公的投資基金(PIF)が費用を負担した新しいギガプロジェクトの一つが、サウジアラビアの初代王朝の居城で、ユネスコの世界遺産にも登録されている王国の至宝であるディルイーヤで、500億ドルをかけて改修中である。

5年前、ディルイーヤ・ゲート開発局はサウジアラビア政府から、「サウジアラビア王国発祥の地」を世界レベルの持続可能な観光、娯楽、文化の目的地として再開発するよう任命された。

ディルイーヤの泥レンガの壁の中には、かつて文化と商業の中心地として繁栄した砂漠の都市があった。有名な城塞があるアル・トライフ地区は、もともとサウジアラビアのアール・サウード一族の権力の座であった場所である。1727年に首都に指定され、後のサウジアラビア統一の基礎が築かれた。

2017年7月、ディルイーヤの11平方キロメートルの敷地は、アル・トライフの歴史的遺産を蘇らせることを目的とした、綿密な修復計画の対象となったのである。リヤドから車で15分の場所に位置し、伝統的なナジュド建築様式で建てられた世界有数の豪華なホテルやレストラン、環境保全地域や文化施設などを擁し、2030年までに年間約3千万人の観光客の誘致を視野に入れている。

しかし、ターゲット市場となるのは観光客だけではない。伝統的なナジュド様式の住宅が3千戸以上、さらに300戸以上の高級ブランド住宅が建設される予定だ。

また、ナジュド建築や泥レンガ建築、詩、鷹狩り、コーラン朗読、地元の演劇、ダンス、音楽、料理などを専門とする複数の文化機関と共に、文化遺産、文化、芸術に焦点を当てた全く新しい学術機関、キングサルマン大学がこの地に設立される予定である。

キディア

また、リヤド地区では、テーマパーク、アリーナ、アウトドア、モータースポーツなどの施設を備えた、エンターテインメント、スポーツ、文化の拠点であるキディアの開発が進められている。

このプロジェクトは、「スポーツ・ウェルネス」「自然・環境」「公園・アトラクション」「移動・モビリティ」「芸術・文化」の5つの柱で構成されている。PIFが100%所有し、観光立国としてのサウジアラビアの地位を高めることを目的としている。

総面積334平方キロメートル、予算80億ドルに渡り、2018年初頭に建設が開始された。最新の契約は、ALEC サウジアラビア・エンジニアリング&コントラクティングとエル・セイフエンジニアリング・コントラクティングの7億5千万ドルの共同事業で、サウジアラビア初のウォーターパーク(地域最大とも言われている)を建設するためのものである。

また、キディア投資会社は、6つのテーマパークに28の乗り物やアトラクションを含むシックスフラッグス・キディアの建設を10億ドルで受注している。これは、サウジアラビアで最も待ち望まれているアトラクションの一つだ。

スピードパークには、モータースポーツファンのためのFIAグレード1のレーシングトラックと、史上最高のゴルファーの一人であるジャック・ニクラウス氏が設計した、エリートからアマチュアまで楽しめるゴルフコースが設置される予定である。

また、キディアには、豪華なテント付きの隠れ家、動物との出会い、アウトドアでの冒険や探検、数箇所の芸術・文化センター、フェスティバル会場、マルチプレックスシネマがある。

紅海プロジェクトとAMAALA

投資が盛んなのはリヤド地域だけではない。サウジアラビアの最西部に位置する紅海沿岸では、2つの豪華な観光地を開発中で、いずれも持続可能性、自然保護、文化、文化遺産に重点を置いている。

紅海プロジェクトは、リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)の世界的リーダーを目指し、3万4千平方キロメートルに及ぶ豪華で持続可能なプロジェクトである。

2018年に設立された紅海開発株式会社は、PIFが全額出資している。3万5千名を直接雇用しており、海岸の景観と豊かな文化遺産を紹介する。

休火山や砂漠、多様な野生動物や山地の風景など、中には手つかずの自然も残る90以上の島々からなる群島で、使い捨てプラスチックの禁止、廃棄物の埋め立てゼロを掲げ、再生可能エネルギーのみに依存することで、環境保全を重視する。

この地域の新しい紅海国際空港は既に完成間近で2023年の開港を予定しており、8千室を有する50箇所のリゾート施設と1千戸以上の住宅が2030年までに完成予定である。

先月、紅海開発会社がアラブニュースに語ったところによると、22の島のうち3つの島は2024年までに完成し、16軒のホテルが入る。そのうち3つは、ウンマハト島のセント・レジス・レッドシー・リゾートなど来年までに完成する予定だという。

また紅海開発会社は、タートル・ベイ・ホテルがオープンし、本土と島の中心部を結ぶ1.2キロメートルのシューラ橋と、サザンデューンズ・リゾートと幹線道路を結ぶ16キロメートルの最初の内陸部の連絡道路が完成したことを公表した。また、沿岸部の村では、約200棟のヴィラとタウンハウスが完成した。

さらに北には、サウジアラビアのウェルネスの超高級静養地「AMAALA」があり、リラックスと瞑想、スポーツ愛好家のためにあつらえられている。3千300平方キロメートルの敷地の初期開発段階は2024年後半に終了し、9つのホテルがオープンする予定だ。

アシール

サウジアラビアの南西部では、この国の最高峰の山々も生まれ変わろうとしている。昨年9月、皇太子は130億ドルを投じてアシール州を開発し、2030年までに1千万人以上の観光客を誘致する観光戦略を公表した。

絵のように美しい緑の山々、気候の良さ、考古学的遺跡、サウジアラビアの他の地域では見られない密林、そして定評のあるホスピタリティが相まって、この地域は近年、何千人もの観光客を惹きつけている。

アシール州の山頂にある新しいアトラクションは、地理的、自然的多様性、文化、文化遺産の観光の将来性を引き出し、年間を通じて楽しめる観光地へと変貌を遂げる。

さらに、新たな雇用の創出、生活の質の向上、地域の重要なサービスやインフラの整備も見込まれている。PIFは、2030年までにアシール州に2,700室のホテル、1,300戸の住宅、30箇所の商業施設や娯楽施設の建設のために30億ドルを確保する予定だ。

NEOM

サウジアラビアの主要プロジェクトであり、最も野心的なギガプロジェクトと言えるのが、2017年に初公開された「NEOM」である。

サウジアラビアの北西部に位置し、2万6,500平方キロメートルに及ぶ未来型スマートシティである「NEOM」は、再生可能なクリーンエネルギーのみで運営され、持続可能な生活と発展のためのモデルを提示する予定である。

現在、5千億ドル規模のプロジェクトのうち、TROJENA、OXAGON、The Lineの3つのフェーズが進行中である。

サラワット山脈の最北端に位置する高地の観光地であるTROJENAでは、この地域初で唯一のスキーリゾートをはじめ、年間を通してユニークなアウトドアスポーツを体験することができるようになる。

このプロジェクトには、超高級ファミリーリゾートやウェルネスリゾート、地域最大の淡水湖、体験型自然保護区、さまざまな飲食店や小売店なども含まれる予定だ。2026年に完成予定である。

一方、OXAGONは、人工知能からロボット工学に至るまで最先端の技術を取り入れ、クリーンエネルギーのみで稼働する、浮体式の産業・商業拠点である。

最後に、幅200メートル、長さ170キロメートル、900万人を収容可能な都市「The Line」は、道路や自動車、排気ガスのない環境において、将来の都市コミュニティのあり方を体現し、100パーセント再生可能エネルギーで稼働し、国民の健康を優先する新しい都市設計のアプローチを提供するものである。

設計計画によると、The Lineは外観の鏡面仕上げのファサードが建造物のユニークな特徴となっており、小さな設置面積であっても自然と調和する建築となる予定だ。

高層ビルとは異なり、公共の公園や歩行者エリア、学校、住宅、働く場などを重ねたコンセプトになっている。コンパクトな設計は、景観上の人工物の設置面積を減らし、より高い効率を促進することを意図している。この都市には高速鉄道が敷かれ、端から端までの移動時間はわずか20分である。

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