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サウジアラビアは「映画スター・ウォーズにとって最高のロケ地になるかもしれない」

空想上の撮影風景:サウジアラビアのアル・ウラーをロケ地とした場合、スター・ウォーズはこのように見えるかもしれない。ここの砂漠は大きくて不格好な岩石層でいっぱいであり、以前の撮影場所のどれにも簡単に溶け込ませることができるだろう。(Shutterstock)
空想上の撮影風景:サウジアラビアのアル・ウラーをロケ地とした場合、スター・ウォーズはこのように見えるかもしれない。ここの砂漠は大きくて不格好な岩石層でいっぱいであり、以前の撮影場所のどれにも簡単に溶け込ませることができるだろう。(Shutterstock)
リヤドのキングダム・タワーのダース・ベイダー。(Getty Images)
リヤドのキングダム・タワーのダース・ベイダー。(Getty Images)
04 May 2019 07:05:01 GMT9

ハラ・タシュカンディ

  • 有名なヒット映画シリーズのロケ地候補となりうるサウジアラビアのいくつかの場所
  • 砂漠の岩石層から宇宙時代の建物まで、王国には未来を撮影するための完璧な舞台装置がある

リヤド:誰もが大好きなスペースオペラが今月、42才を迎える。1977年5月25日に行われた『スター・ウォーズ:エピソード4 – 新たなる希望』の初上映から、今年12月に迫った『スター・ウォーズ:エピソード9 – スカイウォーカーの夜明け』まで、このまれに見るヒット映画シリーズは非常に長きにわたり成功を収めてきた。

事実、「成功」は控えめな表現かもしれない。『スター・ウォーズ:新たなる希望』はカナダと米国において、(インフレ調整後もなお)史上2番目に高い興行収入を挙げた映画である。また、シリーズ全体としてのこのヒット作は、マーベル・シネマティック・ユニバースに次いで歴代2位の興行収入を記録している。

一連のスター・ウォーズ作品がポップカルチャーに与えた影響は他に並ぶものがない。ヨーダやオビ=ワン・ケノービなど同シリーズのキャラクターの多くが、思慮深い年配の指導者の代名詞となってきた。主人公ルーク・スカイウォーカーの父で(さらに言えばレイア・オーガナの父でもある)一番の敵役ダース・ベイダーの登場は、映画史の象徴的な瞬間である。そして悪党のようなハン・ソロと威厳のあるレイア姫の型破りな目まぐるしいロマンスは、ハリウッドで最も記憶に残るものの1つとして挙げられる。

5月4日は「スター・ウォーズの日」として世界中で祝われる。「May the Fourth be with you(4日と共にあらんことを)」は、「新たな希望」の公開後にスター・ウォーズのファンたちによって最初に作られた。Force(フォース)は、ジェダイとシスに超人的な能力を与える宇宙の力の名前だ。そしてジェダイが互いに別れを告げる時の共通のフレーズが、「May the Force be with you(フォースと共にあらんことを)」である。この「Force(フォース)」と「Fourth(4日)」の類似性がきっかけとなって、ファンがこの日を非公式の祝日として採用したのだ。そして最終的には公式な関係者たちもこれを受け入れ、5月4日を世界中のスター・ウォーズ ファンのための祝日にした。

一連のスター・ウォーズ作品とMENA地域には、長年にわたる関係性がある。砂漠の惑星タトゥイーンにあるルーク・スカイウォーカーの家の撮影は、チュニジアのマトマタにあるホテル「シディドリス」で行われた。一方でチュニジアのジェリド塩湖は、ルークの叔母と叔父が水のある場所に作った農場のロケ地として使われた。

ルブアルハリ砂漠のアブダビ地区は、2014年に『スター・ウォーズ:エピソード7 – フォースの覚醒』のいくつかのシーンの撮影に使われた。J・J・エイブラムス監督が自身の体験について語った次の言葉は有名だ。「アブダビでの撮影は素晴らしかった。スター・ウォーズはウェスタンであり、おとぎ話です…アブダビでの撮影はまさにそのものでした!」

ヨルダンの岩だらけの砂漠で撮影されたジェダの月は、もう一つの良い例だ。2016年の『ローグ・ワン:スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したこの月の聖都は、メッカやエルサレムなどの聖地から発想を得たと、ギャレス・エドワーズ監督が『エンターテイメント・ウィークリー』のインタビューで語っている。また、その建物や都市の特徴は、はっきりとオスマン帝国を感じさせる。

中東がこれまですでに、このヒットシリーズに良い撮影場所を提供してきたのは疑いない。では、必然的な次の段階として、サウジアラビアが検討されない理由はあるだろうか?

この王国には、同シリーズが大好きな荒っぽい砂漠のスカベンジャー(廃品漁り)の美学や、宇宙基地や宇宙船に必要なハイテクで未来的で豪華な舞台装置に適しそうな場所が豊富にある。

『Rooh(魂)』や『Refuge』などの映画作品で知られるサウジの映像作家兼撮影技師テイマー・アルフラジは、王国には撮影場所としての可能性がたくさん存在するため、映画スター・ウォーズにとって最高のロケ地になるかもしれないと言う。

「そしてもちろん、経済の後押しだけでなく、サウジの映画製作者や俳優に対する無限の可能性にとっても、悪いことではありません」と、アルフラジは言う。「また、サウジ映画評議会が映画業界におけるそれらの取り組みを熱心に支援しているという事実は、スター・ウォーズがサウジアラビアで撮影するためにやって来るという大きな出来事からたくさんのチャンスが生まれる可能性があることを意味しています。そして恩恵を受ける可能性があるのは俳優や監督だけではないでしょう。制作支援会社もまた、多くのものを得られる立場にあるかもしれません」

例えばアル・ウラーの街の場合、その有名な象岩は、帝国軍が戦闘に使った巨大な乗り物AT-ATを思い起こさせるかもしれない。その砂漠自体が巨大で不格好な岩石層でいっぱいであり、以前に使われた撮影場所のどれにも簡単に溶け込ませることができるだろう。

もっと未来的なシーンでは、リヤドのアブドラ国王石油調査研究センターが、宇宙基地や通常は大型の宇宙船のために、優れたロケ地を作るだろう。晩年のザハ・ハディドが設計した巨大で未来的な建物は、高い天井やたくさんの金属とガラス、そしてピカピカの白いインテリアを持つ超現実離れした美学が特徴で、何マイルも離れた場所から足音が響くのが聞こえるほどだ。その適度に厳粛な雰囲気は、帝国軍施設のための最高のロケ地になるだろう。

アルファイサリヤ・タワーの展望デッキや、リヤドにあるキングダム・タワーの上のスカイブリッジは、ジェダイとシスの壮大な最終決戦の場に最適な場所かもしれない。瞬く街の明かりよりも高い、雲にも触れるその高さは、一歩間違えば落下して悲惨な死を遂げるかもしれないことを意味し、適者生存タイプの戦いが見応えのあるスリル満点のシーンを作るだろう。

サウジの女優の卵アルワはアラブニュースに対し、スター・ウォーズの映画に参加できることは、例えエキストラであっても、夢の実現になるだろうと語った。

「死んでしまうかもしれない。スター・ウォーズの映画に携わったと言えることを想像してみてください。しかも自分の国で。それが実現するかもしれない。絶対そうなりたい」と、彼女は言う。

12月20日はスター・ウォーズの続編三部作における最終回となるシリーズ9作品目、『スカイウォーカーの夜明け』が世界中で公開される日でもある。また、この作品が昨年35年ぶりに映画を解禁したサウジアラビアで、最初に一般公開されるスター・ウォーズ映画となることも触れておく価値がある。その見通しに、多くのファンが胸を躍らせている。

予告編が4月12日に公開されて以来、サウジのファンたちは母国でこの映画を体験できることにどれだけ興奮しているか、ソーシャルメディアで夢中になって表現してきた。

「アダム・スカイウォーカー」の名前を使うあるファンはこうツイートした。「とても幸せだ。これからはもう映画館でスター・ウォーズを見るために旅行する必要はない!」

 

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