
日本のビデオゲーム会社「セガ」は、過去最大の予算をかけたビデオゲーム「ハイエナ」のベータ版のリリースの17日後にそのキャンセルを発表した。
ゲーム「ハイエナ」は、宇宙を舞台としたマルチプレイヤーの1人称シューティング(FPS)ゲームだった。ソニックの像といったポップ・カルチャーに関連した貴重なアイテムを盗むためにプレイヤーが互いに戦うというのがその内容だった。
このゲームの実際の製作費用は明らかとなっていないが、セガ史上最も高額なゲームとされることから、これまで同社の最も評判の悪いゲームだったシェンムーの7千万米ドルの開発費用以上だったことは確実視されている。
このFPSゲームを開発したのは、「クリエイティブ・アセンブリー」社だった。同社は、2005年にセガに買収された英国のゲーム会社で、「トータル・ウォー」シリーズの開発で知られている。
このハイエナの待望のベータ版は9月11日にリリースされた。9月28日、ハイエナ開発チームはXで開発が中止されたことを発表した。ゲームの正式なリリース日が発表されることはついに無いままに終わった。
「数多くの人たちが、何年もの間、このプロジェクトに身も心も捧げてきました」と、ハイエナ開発チームはXへの投稿で語った。「この知らせが十分に理解されるまで、チームに対して優しさと思いやりを持って接していただければと思います」
— HYENAS (@PlayHyenas) September 28, 2023
クリエイティブ・アセンブリー社も、また、Xに声明を投稿した。「今回のキャンセルにより、残念ながら、職を失う方々もおられるかもしれません」と、同社は述べた。「失職の危険に直面されている方々には、可能な限りカリフォルニア州内で他の職務に再配置し、雇用の損失が最終的には最小限に留まるよう努めます」
Following an internal announcement to our employees, please see the below statement: pic.twitter.com/b6LPonVagV
— Creative Assembly (@CAGames) September 28, 2023
ハイエナのキャンセルの理由が実際のところ何だったのかは不明である。しかし、2004年にセガと日本の開発会社であるサミー・コーポレーションが合併して設立された日本企業セガサミーホールディングスは9月28日に、新型コロナ禍に伴うロックダウンの解除後にゲーム需要が低迷するようになり英国での利益が減少したことが原因であると説明したプレスリリースを発表している。
セガサミーホールディングスは、「欧州地域での収益性の低下への対応として、欧州内の各開発拠点において開発中の製品のラインナップを精査し、その結果ハイエナと依然未発表の開発中の他のいくつかの製品のキャンセルを決定しました」とそのプレスリリースで述べている。
ユーチューバーのヴォラウンドは、10月3日、内部の関係者からの情報として、ハイエナは「方向性の全くの欠如」と不適格なリーダーシップのためにキャンセルされたとする動画を投稿した。