
ウィリアム・マラリー
ドバイ:アクションスターであり、かつて世界で最も高収入を得たモデルでもあるミラ・ジョヴォヴィッチ氏は、夫であるポール・W・S・アンダーソン監督が机に台本を置いた時、ダイニングルームに座っていた。
それは、日本の象徴的なビデオゲームシリーズに命を吹き込むため、彼が10年の歳月をかけて何度も書き直した、彼の情熱がこもった映画『モンスターハンター』の最新稿だった。
「ポールは座って、『最新の脚本を完成させたんだ。読んで君の感想を聞かせてほしい』と私に言いました。既に4種類の違うバージョンの脚本を読んでいたにもかかわらず、私は『いいわよ、読むわ』と答えてしまったんです。そしたら夫は『言っておくけど、この脚本は君のために書いたんだ』と言ったんです」とジョヴォヴィッチ氏はアラブ・ニュースに語った。
「冗談よね?『バイオハザード 』が終わったばかりなのに。ゾンビを殺す役を演じた後、次はモンスターを殺す役を演じるの?冗談でしょ。誰もそんなの信じないわ。」
ジョヴォヴィッチ氏とアンダーソン氏の夫婦は、いつも痛快なまでに誠実な関係を築いてきたが、それが功を奏しているようだ。
2人は映画『バイオハザード』の撮影現場で知り合い、その後ともに8本の映画を製作し、2人の子供をもうけ、2009年に結婚した。
「正直になることは常に自分自身にとって一番良いことです」とジョヴォヴィッチ氏は語った。
「彼にはベストを尽くしてもらいたいですし、それを手助けできるならば、私の本音を伝えたいんです。」
「とても素晴らしい関係ですし、私が本当に大切にしていることです。ミラは素晴らしい脚本のヒントをくれます」とアンダーソン氏は語った。
妻の指摘にもかかわらず、アンダーソン氏は彼女なしではこの映画は成立しないと確信していた。
「夫に『君がこの役に適任だと強く信じているんだ。台本を読んでから決めてほしい』と言われました。もちろん彼は私の好きなこと、つまり兵士を演じることが好きだと正確に知っていましたが、私はこの役を演じること全てに自信がありませんでした」とジョヴォヴィッチ氏は語った。
この映画の物語は、ジョヴォヴィッチ氏演じる兵士アルテミスが、部隊と共に異次元に飛ばされ、より大きな生命体が住む世界で生き残り、故郷へ戻る道を探さなければならない、というものだ。
今やハリウッドの超大作映画では当たり前のようになったグリーン・スクリーンを背景にした撮影を避けるため、アンダーソン氏は妻とアクションスターのトニー・ジャー氏を含む他のキャストやスタッフを連れて南アフリカの西ケープ州を訪れ、炎天下の中で撮影を行った。
「妻は、彼女の演じる役がサングラスをかけられないので、結局彼女は眼球の白い部分に日焼けをしてしまいました。トニー・ジャー氏も同様です。体力的にも非常に大変もので、私にとって新しい経験でした」とアンダーソン氏は語る。
「あら可哀想に。帽子にサングラス、そして白いビラビラした素敵なトップスを着なくてはならなかったなんて」とジョヴォヴィッチ氏は夫に向かって述べた。
「僕はただ君の代わりに話していたんだよ」とアンダーソン氏は返した。
命知らずの非常に危険なスタントで知られる俳優のジャー氏でさえ、砂漠の気候に適応するのに苦労したという。
「白い砂がとても綺麗でしたが、気温は45度前後もありました。本当に暑かったです。ただ走って、20テイクくらい撮りました。疲れ果てていましたが、本当に重要なことなのでやり続けました。とても大きな映画ですから」と彼は語った。
アンダーソン監督は、分断された傷ついた世界には、希望に満ちたメッセージだけでなく、現実から逃避することも必要だと感じ、2020年中の公開を望んでいた。
「この映画で伝えたいメッセージは、原作のゲームが持っているメッセージと同じです。異文化、異なる世界から来た人々が、より大きな大義のため協力する方法を学ぶことが重要だということです。今、世界は非常に分断され、偏狭なものになりつつあります。」
「協力と友情の大切さを伝える映画にしたかったのです。適切なタイミングに適切な映画だと思います」とアンダーソン監督は語った。