
ゴウタマン•バスカラン
チェンナイ:今年初めにドキュメンタリー「タイム」でオスカーにノミネートされたアメリカ人監督ギャレット・ブラッドリーの最新Netflix作品、ドキュメンタリーシリーズ「大坂なおみ」。
大坂は、日本人の母親とハイチ人の父親の間に生まれたプロテニス選手である。たった23歳で、トップシングルスランキングを獲得した最初のアジア人であり、全米オープンと全豪オープンで優勝した。2015年のセリーナ・ウィリアムズ以降で、4大大会のシングルスの種目で連覇を果たした最初の女子選手となった。
しかし、この3話からなるドキュメンタリーシリーズでは、大坂の辿ってきた道は決してバラ色ではなかったこと示している。時々よそよそしいと思えるほどシャイな彼女は、2018年のアメリカでの初めてのメジャートーナメント以来、鬱と戦ってきたと明らかにした。
この3話は、「Rise」「Champion Mentarity」「New Blueprint」というタイトルが付けられ、大坂が最近対峙した困難に焦点を当てている。
5月の全仏オープンでは、試合後の記者会見に出席しなかったために1万5千ドルの罰金を払った後、出場を辞退した。試合の前から、メンタルヘルス上の問題のため記者会見をしないと彼女は言っていた。さらに、負けた後の記者の厳しい質問は、「傷に塩を塗り混むもの」のように感じるとも。
6月は、ウィンブルドンも欠場し、家族や友人と過ごした。
大坂は、グラミー賞に2回ノミネートされたラップ歌手であるボーイフレンドのコーデーについては、ほとんど語らない。「みんなに知られる前から、1年ほど付き合っていました。親密な時間は、神聖な時間だと思うので、投稿することはほとんどありません。外部の影響を受け入れると、神聖さがなくなってしまうから。」
ボーイフレンドの愛情や家族の支えがあるにもかかわらず、テニスコートの外の自分が誰なのかと考えると、とても不安になると大坂は言う。
「とても長い間、人間としての自分の価値を掴もうとしてきた。もし、テニスが上手くなかったら、私は一体何者なんだろう。」友人であり、メンターであったコービー・ブライアントの死は、より深く自分自身を問うことになった。
そして今、大坂は、東京オリンピックに出場する準備をしながら、ブラッドリー監督がプライベートまで迫る被写体となり、スターである大坂の人間らしい面が解き明かされることになる。
テニスの試合の大ファンでなくても、ボールが打たれる音と大坂の優雅なダンスのような動きは、大抵見ていて楽しい。彼女はテニスコートの女王であるが、テニスのシングルスは孤独であり、大坂のように繊細な人には大変なことも多い。
ブラッドリー監督のドキュメンタリーシリーズは、デボンテ・ハインズとテオドシア・ルソスによる魅力的な音楽の効果もあり、芸術的にも優れている。