
アラブニュース、ドバイ
アンドレア・ボチェッリ基金(AFB)とサウジアラビアを本拠とする組織コミュニティ・ジャミールが提携し、新たな奨学金を創設した。ロンドンの王立音楽大学(RCM)で学ぼうとしている歌手を対象とし、新進のサウジの人材も対象に含まれる。
サウジアラビアを含む世界中の学生に門戸を開くアンドレア・ボチェッリ基金-コミュニティ・ジャミール奨学金は、RCMで正規に学ぶ学生を支援し、その成績に基づいて奨学金を与える。
AFBは、ロンドン音楽学院で正規に学ぶ学生を支援している。貧困や非識字、社会的疎外の影響を受ける人々やコミュニティに力を与えるため、世界的に有名なテノール歌手によって2011年に創設された。
一方でコミュニティ・ジャミールは、創造性や起業家精神、イノベーション、若者に重点を置く組織で、サウジ実業界のリーダー、モハメッド・ジャミールによって創設された。昨年、アルウラで開かれた冬のタントラ・フェスティバルに出演したボチェッリがそのステージ上で、ジャミールから刺激を受けて慈善活動を始め、奨学基金を立ち上げたことを伝えていた。
「コミュニティ・ジャミールはビジョン2030に従い、サウジの若者たちが教育を受けるチャンスを支援することに尽力しています」と、コミュニティ・ジャミールのファディ・ジャミール国際理事長はアラブニュースに語った。
「この新たな奨学金、ジッダのアート・ジャミールによる伝統的な芸術プログラム、またはMITアブドゥル・ラティフ・ジャミール世界教育研究所に参画するキング・アブドゥルアズィーズ大学との協力など、さまざまな方法により、サウジの学生や創造的な人材が目標を達成するための最高の機会を持てるように取り組んでいます」
この意見に同意するRCMのコリン・ローソン役員教授はABFとコミュニティ・ジャミールに感謝し、「このような慈善的なパートナーシップはビジョンに不可欠です」と述べた。
サウジアラビアはビジョン2030に従って同国の音楽的な創造性を強化するため、最近数ヶ月にわたりその方策作りに取り組んできた。昨年1月、エジプトのバイオリニスト、マフムード・ソロルがリヤドで音楽学院を立ち上げ、王国政府からの支援と資金援助を受けている。同学院はバイオリン教室の提供に重点を置くと共にレコーディングスタジオも備えており、アーチストと学生が同じように自分の音楽を録音するために利用できる。
ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の求めに応じ、ソロルは50人のサウジ人バイオリニストを訓練し、2022年に完成予定のジッダの新たなオペラハウスで演奏させることを計画している。