
アミン・アッバス
有名な日本人グラフィックアーティストでありキャラクターや玩具のデザイナーである野中剛氏は、パワーレンジャー、仮面ライダークウガなどの特撮シリーズや、真マジンガー Z編、マジンカイザー SKLといったアニメを手がけている。
野中氏は、「子供の頃から趣味で絵を描くのが好きでした。描いていたのは大抵、怪物やロボット、それに思いつきの生き物やマシンです。」とアラブニュース・ジャパンに思い出を語った。
その後すぐ、野中氏は玩具やプラモデルキットのパッケージイラストを描き始めた。
「間もなくして、玩具やプラモデルキットのパッケージアートに興味をそそられるようになりました。自分でそれらをデザインし、イラストにしたいと思ったのです。」と彼は付け加えた。
野中氏には、マジンガーZ、勇者ライディーン、宇宙戦艦ヤマトといったサイエンスフィクションのロボットアニメ、それにウルトラマンや仮面ライダーなどの大好きなアニメシリーズがある。銀河鉄道999など、松本零士氏の作品も手に取る。
「1970年代に育った私の世代は、本当にたくさんの素晴らしいキャラクターと出会うことができました。創作時、インスピレーションの源として彼らから今も刺激を受けられることを大変幸運に思っています。」と彼は補足した。
デザイン学校時代、どのようにしてキャリアが始まったのかを野中氏は語った。友人の紹介を受けて、子供向け月刊誌でトランスフォーマーのイラストを手がけたのだ。
「とても長い歴史のある雑誌でしたから、非常に刺激的な経験でした。私も小学生の頃に読んでいましたよ。子供時代、毎月それはもう楽しみだったこの雑誌に、大人になってから製作側で関わることができたわけです。」と彼は付け加えた。
イラスト分野でのプロジェクトに関して、野中氏は次のように述べた。「『トランスフォーマー』の仕事では、アニメの放映スケジュールに従ってストーリーの紹介をイラストにする必要がありました。同時に、玩具の発売スケジュール通りに対象となるキャラクターのイラストも描いていました。ご存知の通り、この作品にはヒーローも悪者も、数えきれないほどのロボット(と変形後の乗り物)が登場します。ですから本当に時間のかかる作業でした。」
「それでもすぐに人気を得たので、やる気を失うことはありませんでした。デザイン学校卒業までの2年間一生懸命働くことができ、そしてバンダイへ入社しました。この作品に費やした時間は、その後のキャリアに役立ちました。素晴らしくためになる体験でした。」彼は付け加えた。
野中氏は、パワーレンジャー『日本のスーパー戦隊』シリーズの作品で知られている。バンダイへ入社してから1年後、どういった経緯で東映の特撮用デザインを担当するようになったのか、アラブニュース・ジャパンへ語った。
「バンダイと東映の提携の歴史は長く、作品の企画初期やキャラクターのデザイン段階から密接に協力します。そのため子供が興味を持ちそうなキャラクター、マシン、武器の制作は、キャラクターに見た目を似せた玩具をデザインするだけの作業よりずっと面白いものでした。恐竜戦隊ジュウレンジャー(米国では『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』)は、私が担当した初めての「スーパー戦隊」シリーズです。日本では大ヒットでしたが、それがパワーレンジャーとして世界中で放映されたのは思いがけないご褒美でした。」
野中氏は、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のトイシーリーズが日本で大ヒットし、それがトイデザイナーとしての成功の道を開いたことについて語った。
「日本でまだスーパー戦隊や仮面ライダーのデザインを担当していたので、パワーレンジャーの歴史に長い間関わっていました。アメリカで実際に仕事をする機会を得たのは、2011年からです。コンベンションでたくさんのパワーレンジャーファンと交流でき、自分の仕事が認められていると実感することができました。」と彼は付け加えた。
野中氏は、2018年4月にドバイで開催された「Middle East Film and Comic Con」へ参加した際、中東にも訪れた。
どの国を訪れようとアニメや漫画のファンに必ず出会えることを強調しながら、「中東訪問は初めてでしたが、現代で最も刺激的な都市の1つであるドバイを訪れたことはとても貴重な体験になりました。」と彼は語った。
野中氏は、現在いくつかのアニメと特撮映画のためのデザインに参加していること、また玩具のデザインにも関わっていることに触れた。