
アメーラ・アビド
ジェッダ:サウジアラビアのヴィンテージショップが昔のものを販売し、若い世代にかつての娯楽がどんなものであったか見せることで、人びとに子供時代の思い出や郷愁の念を呼び起こさせている。
Instagramショップ「Comics4Huda」のオーナーであるフーダ(26才)さんは、1970年代、1980年代、1990年代に出版されたアラビア語のヴィンテージコミックを販売している。
彼女がコミックを売ることを思いついたのは、子供の頃に「ミッキーマウス」のコミックスに愛着を持っていたためで、自分が子供の頃に感じたことを他の人にも感じてもらいたいと思ったという。「これらのコミックを販売したいと思ったのは、単純な理由です。書店ではもう手に入らないからです」と、彼女はアラブニュースに語った。
これらのコミックを手に入れるには、多くの時間とエネルギーが必要だという。「でも、手に入れられた時の喜びや、お客様がコレクションを手にして喜ぶ姿は何物にも代えがたく、仕事を続ける励みになっています。私のところに来て、コレクションは特別なもので、涙が出るほど感動したと言ってくれるお客様もいます」
売られているコレクションは希少なものばかりで、もう印刷されていない。
臨床心理学を学ぶオマール・オードさんは、コミックは自分の人生の中で大きな位置を占めていると言う。「コミックはありふれた人生からの逃避です。物事が本当に難しくなり始めたとき、アートは本を読むよりも没頭感を感じさせてくれると思います」と、オードさんはアラブニュースに語った。
特に1970年代、1980年代、1990年代のコミックブックが好きになったのは、家族で世界中を旅行している時によく見かけたからだという。
また、オードさんとこれらのコミックブックとの出会いには、年上の兄弟も一役買った。彼らが幼いころに、それらのコミックを買ってきたのだ。その後、この熱狂的ファンは幸運にも、かなりの数のコレクションを彼らから受け継ぐことになった。
Instagramにある別のオンラインショップ「Vin Saudi」では、さらに昔、時には数世紀前に遡るアイテムや工芸品を販売している。Vin Saudiのオーナー、ハリド・アフマド(26才)さんは、自分が持っている多種多様な物が、自分と同じくらいの喜びを他の人にも与えることができると気づいた後、これらのコレクションを販売することを思いついた。
アフマドさんのコレクションの中には、1910年代の本、ローマ帝国で使われていたコイン、1980年代に購入したチケットなどがある。
リヤドにあるスーク・アル・ゼルという地元の市場には、コレクターが出店するヴィンテージショップがたくさんある。アフマドさんは昔、父親とよくこの市場に行っており、その時にこれらの物を集めるようになったという。「そこへ行くたびに、何か買わずにはいられませんでした」と、アフマドさんは話した。
それらのコレクションに別れを告げるのは難しいだろうと考えていたが、お客さんの期待や興奮を目の当たりにし、簡単に手放せるようになったという。
オードさんは次のように付け加えた。「インスタグラムにお店があるのを見たときは、とてもうれしかった。この本たちを生かし続けてくれているようなものです。このことが動機となって、出版社が古いコミックのいくつかを再出版したり、さらにはオンラインで公開したりすることで、より長く保存される助けになることを願っています」