
北京:2023年の新車輸出台数で、中国の初の世界首位が確定した。日本自動車工業会が31日公表した同年の輸出台数は前年比16%増の442万台と、中国の491万台を下回り、トップの座を譲った。中国企業は得意とする電気自動車(EV)がけん引する形で輸出を急拡大させており、東南アジアなど日本メーカーが牙城としてきた市場でもシェアを伸ばしている。
自工会の資料などによると、日本の輸出台数が世界トップから転落するのはドイツが首位だった16年以来7年ぶりとなる。
中国では近年、政府の後押しも追い風となり、国内EVメーカーが技術力を高めてきた。国内市場は競争が激化しており、最大手の比亜迪(BYD)などは海外での販路拡大を急いでいる。
23年の中国の輸出台数は前年比58%増加。特に、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)など「新エネルギー車(NEV)」は8割近く増えた。ウクライナ侵攻に伴い、日米欧などから制裁を受けるロシア向けのガソリン車輸出も急増した。
BYD幹部は1月下旬のイベントで、24年に海外市場へ「より多くの製品を投入する」と明言した。中国の自動車団体は同年の輸出台数が23年を上回る550万台程度になるとの見通しを公表済みだ。
時事通信