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日本の労働市場、失業率からは見えない隠れた痛みも

日本の4月の労働市場は一見、新型コロナウイルスの感染拡大が及ぼしていた経済活動への打撃が弱まりつつある様子がうかがえる。
日本の4月の労働市場は一見、新型コロナウイルスの感染拡大が及ぼしていた経済活動への打撃が弱まりつつある様子がうかがえる。
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03 Jun 2020 08:06:35 GMT9
03 Jun 2020 08:06:35 GMT9

日本の4月の労働市場は一見、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動への打撃が弱まりつつある様子がうかがえたものの、今回金曜に発表された公式データを詳しく見ると、今後も楽観視はできない状況となりそうだ。

日本の4月の失業率が2.6%と、前月の2.5%から上昇した一方、米国の状況は日本とは大きく異なり、同国の4月の失業率は第二次世界大戦後最高の14.7%を記録した。また、ユーロ圏では3月の失業率は7.7%となっている。しかしエコノミストらは、公式の失業率が僅かしか上昇していないという情報が、かえって市場全体の痛みを捉えにくくしていると指摘している。

アナリストらは、失業率が上昇すると、日本の個人消費が冷え込み、既に第1四半期において景気後退を迎えている世界第三位の経済大国である同国の回復に、遅れが生じる可能性があるとみている。

現在雇用中と分類されている国民の中では、長期休暇中となっている者の数が4月には420万人増と、前年同期比3倍となった。第一生命経済研究所によると、現在長期休暇中となっている労働者は、いずれ職場に復帰するものの、これらの労働者を失業者とカウントした場合、4月の失業率は11.4%となる。

総務省は、金曜に発表されたデータでは4月の労働者数は季節調整値で前年同期比107万人減となり、1963年1月の113万人減以来、最大の減少数となったとした。

一方、失業者数の増加は僅か60,000人となっているが、この数には、調査期間中に積極的に求職活動を行っていたなどの条件を満たした者のみが含まれている。

大規模な労働力や余力を持つ日本企業各社は、2008~2009年のリーマンショックや2000年代初期のITバブル期に、リストラを実行している。

現在、サービス業や中小企業を中心に、企業の多くが縮小する経済活動への対応に追われているため、従業員の数を減らすことによる人件費の削減を迫られている。

リストラの波の影響を最も受けるのは大抵、パートタイム労働者、契約労働者、有期雇用の労働者といった、失業補償が得られない労働者であり、このような労働者は、労働者全体の36.2%を占める。今回発表されたデータによると、4月の非正規雇用の労働者数は前年同期比で過去最大の減少となった。

安倍政権は今週、労働市場を持続させ、失業関連の数字を現在以上に上昇させないことなどを視野に、100兆円規模の第2次補正予算案を承認した。

麻生太郎財務相は、金曜の閣議後記者団に向けて「4月の失業率が2.6%に達した」と述べていた。同相はまた「新型コロナウイルスによる影響が経済活動にも波及していることは確実。5月の数字はさらに悪化すると思う」とした。

ロイター

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