
ロンドン:サウジアラビアが過去5ヶ月で最大の下げ幅となるアジア向け供給価格の引き下げを行い、中国の需要に対する不確実性が市場の回復に影を落とす中、原油価格は月曜日下落した。
ブレント原油は、7月30日以来の安値となる41.51ドルまで下落した後、75セント(1.8%)下落し、41.91ドルで取引された。
米国のウエスト・テキサス・インターミディエート原油価格は、7月10日以来の安値となる38.55ドルまで下落した後、77セント(1.9%)の下落となる1バレルあたり39.00ドルとなった。
石油ブローカーPVMのタマス・バルガ氏は「先週後半に市場は幾分悲観的になっていた。差し迫ったリスクで下向きに傾いている」と話した。
世界最大の石油輸入国である中国が過去最大の買い入れで相場を支えてきたが、8月は輸入が鈍化し、石油製品輸出が増加したことが、月曜日に発表された税関統計により明らかとなった。
国際エネルギー機関(IEA)の貞森恵祐エネルギー市場・安全保障局長は『ロイター通信』に対し、「中国経済に加え、中国と米国、最近では欧州など主要先進工業国・地域との関係を巡り大いに不透明感がある」と述べた。
さらに、「楽観できる状況ではない。成長見通しに幾分影を落としている」と指摘した。
休日となった月曜日労働者の日は、米国における伝統的な夏の需要シーズンのピークが終わったことを告げ、世界最大の石油消費国である米国で現在の不足している燃料需要に投資家の焦点が移った。
最近の原油価格の回復を受けて、米国企業が新規供給のための掘削を増やしたことで、原油にも圧力がかかっている。
米国のエネルギー企業は、先週、石油・天然ガスのリグ稼働数について、過去3週間で2回目となったとベーカーヒューズ社の週報で明らかにした。
しかし、オーストラリア政府当局が、来年1月に新型コロナウイルスワクチンの初回分を受け取る予定であり、ワクチンは 「複数年の予防 」を提供できると述べた後、新型コロナウイルスワクチンへの期待により価格が下支えされた。
ロイター通信