
シンガポール:新型コロナウイルスの世界的流行の影響で、船用燃料油の世界的な需要が最大17%減少すると見込まれており、船用燃料油サプライヤー間で統合を強める準備ができていると、業界幹部は水曜日の会議で語った。
コロナ渦で一部の商社が債務不履行に陥り、一連の不正が露呈した後銀行は商品貿易金融を縮小し、中小企業が最も多くの被害を受けた。
国際バンカー産業協会(IBIA)のUnni Einemo理事は、オンラインで開かれたプラッツ主催の「アジア太平洋石油会議(APPEC 2020)」で、企業は需要が少なく薄利で、かつ供給は十分にある状況で競い合っており、カウンターパーティリスクが増加し、資本調達が制約されたと語った。
同氏はまた、「合併や買収、あるいは弱体化によりさらなる統合が見込まれます」と述べ、一部の企業は市場から撤退せざるを得なくなる可能性もあると付け加えた。「世界の船用燃料の需要が(4月と5月に)かなり順調に進んだとしても、2020年は大幅に減少すると予想されます」
IBIAのメンバーは、2020年にバンカー重油の需要が世界的に7〜17%減少すると予測している、と同氏は述べた。
世界の船用燃料油の需要は、年間約3億トン、つまり1日あたり約520万バレル(mbpd)と推定されている。
国際エネルギー機関(IEA)は火曜日に発表した最新の報告書の中で、「燃料油需要は、発電用や産業用だけでなく船用燃料油を含めて、2020年には0.4 mbpd、つまり6.3パーセントだけ減少すると予測されています」と述べた。
これと比較して、ジェット燃料、ディーゼル、ガソリンなどのプレミアム輸送用燃料の需要は、2020年に約7.4 mbpd、つまり11.6%減少するとIEAは予測している。
ほとんどの燃料補給市場では6月に大幅な下落が見られ、一部の市場では前年比で30〜40%という「驚異的な」縮小が見られた。一方で、シンガポールは最も影響を受けにくい市場の一つだとEinemo氏は述べた。
公式データによると、シンガポールは世界最大の燃料補給の拠点であり、今年は5月と6月にそれぞれ2%ずつ減少したことを除き、船舶用燃料の販売量が前年比で毎月増加した。
このシンガポールの粘り強さは、「供給する燃料の種類が最も豊富であること、(そして)購入者が期待する燃料の質と量を手に入れられると確信しているため、優先的に選ばれる港になっている」ことが大いに関係しているとEinemo氏は述べた。
しかし、アラブ首長国連邦のフジャイラなどの他の拠点では、新型コロナウイルスの蔓延により輸送業務が鈍化したため、燃料補給の需要が急減した。
ロイター通信