
ロンドン:OPECのバルキンド事務局長は15日、石油輸出国機構(OPEC)プラスが、原油価格を再び急落させないという確約を11月末開催の新方針を決定する会合において行うだろうと述べた。同事務局長はまた、これまでの石油の需要回復のスピードが予想より遅いことも指摘している。
「最近私たちが目の当たりにした歴史的な価格急落の再発を防ぐことで、OPECと非OPEC産油国のパートナーシップが自らの役目を果たしていくのは間違いないと思っています」と事務局長は語った。
バルキンド事務局長のこれらの発言は、エネルギー・インテリジェンス・フォーラムにおいて、OPEC諸国及びロシア等その他の主要産油国から成るOPECプラスが来年1月から原油の計画的な増産を行う可能性があるかという質問に答える中でなされたものだ。
「現在までの回復が今年の前半に予想したほどのペースではないという事態に、現実的に対処しなければなりません」と事務局長は語った。「需要自体に依然として勢いがありません」
OPECプラスの技術委員会会議が15日に開催され、原油の協調減産へのコンプライアンスと市場のファンダメンタルズについて話し合われた。
OPECプラスは9月には協調減産へのコンプライアンス102%を達成した、と複数のOPECプラス筋がロイター通信に明らかにしている。
割り当て分を減産できなかったイラク、ナイジェリア、アラブ首長国連邦などの国々は、不足分を補う追加の削減を年末までに行うよう求められている。
バルキンド事務局長は、こうした補償システムはいい形で機能していると語っている。
OPECプラスは、来年1月に減産量を現在の日量770万バレルから200万バレル縮小する予定。
バルキンド事務局長は、11月30日と12月1日両日のOPEC プラスの閣僚級会合の際に、現在の方針のままで来年に臨むか修正を加えるか検討すると語った。
一方、アラブ首長国連邦のエネルギー相は13日、同じエネルギー・インテリジェンス・フォーラムにおいて、OPECプラスが1月からの減産計画を変更することはないだろうとの見方を示している。
OPECプラスの方針検討は、一部のヨーロッパ諸国が、新型コロナウイルス感染症の感染者数増加を抑えるために外出制限やロックダウンを復活させているタイミングで行われることになる。英国では、16日の深夜からロンドンにおいて新型コロナウイルス対策としてより厳格なロックダウンが導入される予定だ。
フランスでは、感染の拡大の影響で、人口の3分の1が夜間外出禁止令の下に置かれている。
世界第3の石油消費国であるインドでは、新型コロナウイルスへの感染者数が現在世界最多の米国を追い抜く勢いで増加しており、大型の休日が近づく中、今後数週間の感染急増に備えている状況だ。
「需要が著しく弱まった場合、新たな供給過剰と価格下落のリスクを冒したくないならば、増産を中止する他にOPECプラスに選択肢はないでしょう」とコメルツ銀行ではコメントしている。
ロイター