ダイアナ・ファラー
ドバイ:UAEで近日開催予定の2020年国際博覧会において、日本館では様々な本物の概念が結集する事になる、と日本貿易復興機構(JETRO)の所長は述べた。
JETROドバイ事務所の安藤雅己所長は、アラブニュース日本と独占的に会見し、日本館のテーマは「アイディアの出会う場所」であると語った。
展示の狙いについて安藤氏は、「日本館では、アイディアの交換によって未来はより良い方向へ進んでいく」というメッセージを拡散し、そして来場者が「世界規模で問題を解決する方法」を見いだすことを目指している、と述べた。
このテーマは、大阪で開催される2025年の万博へとつながっていくと安藤氏は補足した。
「来場者へ日本館のメッセージを届けるために、展示スペースは「体験的デザイン」に重点を置いて準備を進めています」と安藤氏は述べた。「現在、数多くの才能豊かなクリエイターたちが日本でアイディアを出し合っています。そして拡張現実(AR)技術を使ったインタラクティブ空間を開発するため、昼夜を通して議論が行われています。」
安藤氏によれば、展示場本館で予定されているのは「日本の四季の美しい自然と文化、そして問題解決に寄与する英知」の紹介だ。
各来場者は、より良い世界とつながるための「アイディアの種」を手に入れることという。
新型コロナウイルスの世界的な流行によって、同イベントには1年の遅れと障害が発生した。だが2020年国際博覧会は、今年10月1日から2022年3月31日までの日程で開催に向けて進んでいる。
JETRO所長は、延期は簡単ではなかったものの、日本館の準備は順調に進んでいる、とアラブニュース日本へ語った。「建設工事はすでに完了し、現在は内部の展示スペース作りに取りかかっているところです。」と彼は付け加えた。
「回転寿司」としても知られる寿司用の回転テーブルも、日本館の一部である見込みだ。そこで、来場者は本物の日本の寿司を堪能することができるのだ。
MENA(中東および北アフリカ市場)における日本企業売り込みのための事業促進も監督する安藤氏は、2020年ドバイ国際博覧会とは別に、JETROがイニシアチブへの積極的な参加を行っていることに触れた。日本とUAEの間の国交樹立50周年が迫り来る中、2国間の事業推進に貢献する目的だ。
JETROドバイは、UAEを中心とする湾岸諸国と日本の間での経済およびビジネス関係の強化を目指して1981年に設立された。「JETROドバイの設立は、互いに実り多いビジネス関係を日本と湾岸諸国間に築くための玄関口としての役割を担ってきました。」と安藤氏は解説する。
UAEでは、和食や日本のコンテンツが大変人気である、と彼は付け加えた。「そういった高い評価を利用して、日本企業の事業を一層拡大して行きたいと考えています。」
だが世界の他の国々と同様に、新型コロナウイルスはJETROの事業にも影響を及ぼしている。「展示会や商談のような対面の事業機会を数多く失いました。これまでJETROは、人々の交流によって事業を推進してきました。ですが新型コロナウイルスの状況下では、オンラインの事業支援を強く、前向きに推進しています。」と、安藤氏は述べた。
2015年にドバイへ派遣されて以来、この地域からは多くの学びがあった、と所長は語る。「ここUAEで働く機会に恵まれ、私は大変幸運でした。UAE政府は常に将来を見据え、国を導いています。」と安藤氏は説明した。「ナレッジハブを目指すというUAEの政策の下、地域内での日本のスタートアップの設立と支援が最近の主な取り組みの1つになっています。」