
環境省は26日、2030年度までに温室効果ガスの排出を13年度比で46%減らす目標達成に向けた政府の地球温暖化対策計画の改定案を明らかにした。家庭部門では、発電時に二酸化炭素(CO2)が出ない再生可能エネルギー由来の電気の使用などを広げることで、CO2排出の同66%減を実現する方針を明記した。
同計画は、温室ガス削減のため政府や自治体、企業、国民がそれぞれ進める取り組みを記載。現行計画は16年5月に策定され、5年ぶりの改定となる。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が始まる10月末までに閣議決定する。
21日に経済産業省が示したエネルギー基本計画の案では、30年度の電源構成について、再エネの比率を現在の約2倍となる36~38%に引き上げ、原発も再稼働を進めて20~22%と見込んだ。改定案は同計画案を反映し、発電時にCO2を出さない「クリーン」な電気が家庭やオフィスに届くことで、大幅な排出削減につながるとした。
加えて、住宅やビルの断熱・省エネ化、無駄なエネルギー消費に直結する食品ロスの削減といったライフスタイルの転換を進めることで、家庭で66%減、オフィスで50%減を目指す。
他方、製造業など産業部門については、電気以外のエネルギー使用が多く、クリーンな電気の割合が高まる影響が小さくなり、37%減にとどまる見通し。物流や交通といった運輸部門も38%減とした。
ただ、いずれの部門も30年度の電源構成で再エネや原発の割合を大幅に拡大することが前提の数値。再エネ導入や原発再稼働が想定通り進むかどうかは見通せず、「絵に描いた餅」となる可能性もある。
時事通信