
日銀は7日、テレビ会議方式で秋の支店長会議を開き、新型コロナウイルス感染者数の減少も考慮して地域経済の回復状況を点検した。黒田東彦総裁は冒頭のあいさつで、景気の現状を「引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」と指摘した。消費者物価の先行きについては「エネルギー価格などの上昇を反映して小幅のプラスに転じていく」と語った。
黒田総裁は、日本経済について感染症の影響が徐々に和らいでいく中で、外需の増加などに支えられて回復していくとの見方を示した。その上で「感染症の影響が収束していけば、所得から支出への前向きの循環メカニズムが強まる下で、さらに成長を続ける」と述べた。
日銀が1日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業の景況感は製造業、非製造業ともに5四半期連続で改善。ただ、自動車の減産への懸念が幅広い業種に広がり、製造業で先行きの予想が悪化した。
支店長会議は3カ月ごとに年4回開催。午後に全国9地域の景気動向を分析した「地域経済報告(さくらリポート)」を公表する。
時事通信