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仲介役カタール、ガザに関する協議は過去数週間の進捗に反して「期待通りには進んでいない」

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に抗議し、選挙の実施を要求するデモ参加者。デモは毎週、ネタニヤフ政権の対ハマス戦争における対応に抗議して開かれている。2024年2月17日、イスラエルのテルアビブで。(AP)
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に抗議し、選挙の実施を要求するデモ参加者。デモは毎週、ネタニヤフ政権の対ハマス戦争における対応に抗議して開かれている。2024年2月17日、イスラエルのテルアビブで。(AP)
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18 Feb 2024 04:02:57 GMT9
18 Feb 2024 04:02:57 GMT9
  • AP通信の記者や病院関係者によると、17日にガザ中心部で新たな空爆が行われ、子どもを含む40人以上が死亡、少なくとも50人が負傷した

ラファ(ガザ地区):ガザにおける停戦合意についての協議は過去数週間順調に進んでいたが、ここ数日は「期待通りには前進していない」と、主要な仲介者であるカタールが2月17日に表明した。一方、イスラエルの首相は武装組織ハマスがその「妄想じみた」要求を変えないことを非難した。

ミュンヘン安全保障会議でカタールのシェイク・ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニー首相は、交渉の「人道的な部分」における困難を指摘した。

昨年10月7日のハマスの攻撃で連れ去られた残りの人質を救出せよという圧力にさらされているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ジョー・バイデン米大統領の要請で週初めにカイロでの停戦交渉に代表団を送ったが、再び派遣する意味はないと述べた。

ハマス側は、ガザでの恒久的な停戦とイスラエルに拘束されているパレスチナ人の解放を求めている。

ネタニヤフ首相はまた、ガザ南部のエジプトとの国境にある都市ラファで計画されているイスラエルの地上攻撃に対する国際社会の懸念に反発し、ハマスに対する「完全な勝利」のためには、そこに住む人々が安全な地域に避難した後に攻撃を行うことが必要だと述べた。壊滅的な被害を受けたガザのどこに避難するかは、明らかではない。

AP通信の記者や病院関係者によると、17日にガザ中心部で新たな空爆が行われ、子どもを含む40人以上が死亡、少なくとも50人が負傷した。イスラエル軍は、ハマスを標的とした空爆を行ったと発表した。

保健当局によると、南部のハーン・ユーニス郊外の民家を狙ったイスラエル軍の空爆で5人が死亡し、ラファ北部の建物への空爆でも子ども3人を含む5人が死亡した。アブ・ユセフ・アル・ナジャール病院の院長、マルワン・アル・ハムズ医師は、瓦礫の中から他の遺体を引き出す作業中だと述べた。

イスラエルの空爆と地上攻撃は、イスラエルで約1,200人が死亡し、250人が人質となった昨年10月7日の攻撃に対する報復として行われている。

ガザ保健省は17日、ガザ全体の死者数が2万8,858人に増え、過去24時間にイスラエル軍の砲撃で死亡した83人の遺体が病院に搬送されたと発表した。この死者数は、戦闘員と民間人を区別していないが、同省によれば、その3分の2は女性と子どもだという。

戦争はまた、広範囲にわたる破壊を引き起こし、ガザの人口の約80%が避難し、ハマスが実効支配する飛び地ガザに人道的危機を引き起こした。

エジプトは難民の殺到を懸念

ガザの人口230万人の半分以上が、イスラエルがハマス戦闘員の最後の重要拠点だとしているラファに押し込められている。

ジョー・バイデン米大統領は、イスラエルに対し、民間人を保護する「信頼できる」計画なしにラファで作戦を実施しないこと、代わりに停戦に集中するよう求めた。エジプトは、作戦は外交関係を脅かす可能性があると述べている。

イスラエルは、パレスチナ人をエジプトに強制的に追放する計画はないとしているが、新しい衛星写真は、エジプトがそのシナリオに備えていることを示している。画像には、エジプトがガザとの国境付近に壁を建設し、土地を平らにしている様子が写っている。

ミュンヘン安全保障会議でも発言したエジプトのサーミフ・シュクリー外相は、「我々は安全な地域や施設を提供する意図はない。しかし、……もし攻撃が行われるのであれば、無辜の市民に対する支援は提供する用意がある」と述べた。

エジプト大統領府によれば、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領は、フランス大統領との電話会談で、エジプトは「いかなる方法や形であれ、パレスチナ人のエジプトへの移住」を断固拒否すると断言した。

エジプト政府高官2人は、エジプトは国境から5キロ(3マイル)に及ぶ既存の緩衝地帯に防衛線を追加建設していると述べた。彼らはメディアに詳細を話すことを許可されていないため、匿名を条件に取材に応じた。

緩衝地帯は、ダーイシュの反乱に対するエジプトの戦いの一環として建設されたもので、ガザとの間の武器密輸を防ぐためのものであった。

援助を妨げるもう1つの問題

イスラエルは、ハマスが国連の援助を流用しているという主張の具体的な証拠を提示しておらず、またトラック隊を警護するガザ警察の司令官を標的として殺害しているため、物資を安全に分配することが「事実上不可能」になっていると、アメリカの上級特使が珍しく公の場でイスラエルを批判した。

バイデン政権のデビッド・サターフィールド中東特使(人道問題担当)は、イスラエルの攻撃後、警察の護衛がいなくなったため、犯罪組織が輸送隊を狙うようになっていると指摘した。

サターフィールド氏は16日、「我々はイスラエル政府、イスラエル軍と協力し、ここでどのような解決策が可能かを模索している。誰もが援助の継続を望んでいるためだ」とカーネギー国際平和基金でのスピーチで述べた。解決策を見出すには、「何らかの形で警備要員による護衛を再度つける必要があるだろう」

サターフィールド氏によると、イスラエル当局は国連による援助物資の「流用や窃盗の具体的な証拠」を提示していないが、ハマスは「他の援助ルート」を利用して「どこに、そして誰に支援が行くかを決める」ことに関心を持っているという。

イスラエルはガザに入った後、ハマスが燃料を含む援助物資を流用していると繰り返し主張しているが、国連の援助機関はこの主張を否定している。先週、イスラエルによる車両への空爆で、ラファの警察幹部3人が死亡した。別の空爆でも警官2人が死亡している。

サターフィールド氏はまた、ガザでパレスチナ人を援助している主要な国連機関UNRWAが直面する課題にも言及した。UNRWAの事務局長は17日に発表されたコメントで、イスラエルが同機関を「破壊」しようとしていると非難し、さらなる支援がなければ4月中に活動は停止すると警告した。

イスラエル軍が病院入り

ここ数週間、イスラエル軍はガザ第2の都市でハマスの拠点であるハーン・ユーニスに集中している。
イスラエル軍は17日、ハーン・ユーニスのナセル病院でハマスの容疑者100人を逮捕したと発表した。イスラエルの国防相は、拘束された者のうち少なくとも20人が昨年10月7日の攻撃に関与していたと述べた。

保健省によると、部隊は病院を「軍の兵舎」に変え、多数の医療スタッフを拘束したという。イスラエルは患者や医師を標的にすることはないと表明しているが、スタッフによれば、病院は激しい銃撃にさらされているという。

ヌール・アブー・ジャメフ氏は、ナセル病院に避難していた数千人のうちの1人で、この1週間で退去を余儀なくされた。「四方八方から銃撃や砲撃があった」と彼は話した。「私たちが夜間に逃げ出すと、通りには死体が散乱し、戦車がその上を移動し、彼らを押しつぶしていた」

AP

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