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スマートロボットが全作業を行う日産の「インテリジェント」ファクトリー

日産自動車株式会社によると、東京近郊の工場は4月までに稼働し始める予定だという。(Shutterstock)
日産自動車株式会社によると、東京近郊の工場は4月までに稼働し始める予定だという。(Shutterstock)
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09 Oct 2021 01:10:50 GMT9
09 Oct 2021 01:10:50 GMT9

上三川:日産の「インテリジェントファクトリー」には人間の作業員はほとんどいない。ロボットが溶接や取り付けも含めて全作業を行う。塗装作業をし、その成果を自ら点検する。

金曜日、栃木工場で行われたSUV「アリア」の生産ライン見学会で日産自動車社副社長の坂本秀行氏は「これまで、経験をもとに生産調整を行う必要があったが、今後は収集データを分析する人工知能を備えたロボットでその対応ができるようになる。技術はそのレベルまで発展した」と述べた。

日産自動車株式会社によると、東京近郊の工場が4月までに稼働を開始する予定だという。

組み立てラインは、3種類すべてのモデルを同じライン上で製造できるよう設計されている。モーターとエンジンの両方を備えた電気自動車、e-POWERと、通常の内燃機関を動力源とする自動車に対応できる。各車両はラインに沿って移動しながら必要なパワートレインを搭載されていく。

工場の作業員は、ロボットが収集したデータの分析や機器のメンテナンスなど、より高度な作業に専念できる。

各自動車メーカーは、適応力が高く市場の需要に素早く対応できるようなロボット技術の開発に取り組んでいる。

見学会では、大型ディスプレイを搭載した巨大な機械のアームが公開された。ディスプレイの光をさまざまな角度から車体の表面に照射し、カメラが微細な傷を検出する。

ある装置は巨大な糸巻きのような金属の物体に素早くワイヤーを巻き付ける。この物体は、電気自動車に現在使用されている磁石に代えて日産が採用しているモーター部品だ。この技術革新により、希土類が必要なくなり、コスト削減につながるという。

日産は、栃木で試験を行っているこの改革は、フランスの提携パートナーであるルノーの工場をはじめ、世界の工場で順次展開すると説明した。

坂本氏によると、完全に自動化した組み立てラインによってどのくらいのコスト削減になるかを正確に見積もることは難しいという。

ただ、製造業は、労働力不足、コロナウイルスの大流行、そして気候変動緩和のための炭素排出量削減に適応する必要があると述べた。

日産は、2050年までに、原材料の抽出、製造、使用、リサイクルを含む運用と製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを達成したいと述べた。

また、車体とバンパーの塗装と焼き付けを同時に行える新しい種類の塗料を使用することでエネルギー消費量を25%削減するという。

それまではアルミニウム製の車体とプラスチック製のバンパーは、異なる温度で別々に塗装する必要があった。

日産は今期の黒字転換を見込んでいるが、他の自動車メーカーと同様、パンデミックによる部品不足に悩まされている。日産ブランドは、2018年に金融商品取引法違反で日本で逮捕されたカルロス・ゴーン前会長を中心としたスキャンダルの打撃も受けている。

AP

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