
ドバイ: 月曜日にサウジアラビアの株式市場に上場したACWAパワー 社は、来年の第1四半期には、未来都市計画NEOMのグリーン水素合同ベンチャー事業に対する数十億ドルの資金調達を最終決定する予定だとACWAパワー社CEOが語った。
エア・プロダクツ社、ACWAパワー社、及びNEOMがパートナーとして進めるこのプロジェクトは、国際市場に輸出するためのグリーンアンモニアを製造し、NEOMの港から2026年の第1四半期に最初の出荷が行われる予定だ。
「まだ金融機関は最終決定していないが、組織体制はよく整い始めており、プロジェクトは内部で着々と進められている」と、同社CEOのパディ・パドマナサン氏はロイターのインタビューで語り、プロジェクトは「軌道に乗っている」と話した。
65憶ドルのプロジェクト資金のうちの約20%は株式資本で、残りはリミテッド・リコース・プロジェクト・ファイナンスで賄われるとパドマナサン氏は語り、「サスティナビリティに配慮したプロジェクトでありたいと強く思っている」と、付け足した。
ロイターによれば、この合同ベンチャー事業は1月に金融会社のラザード社をアドバイザーとして起用したという。
ACWAパワー社が今年、計画しているプロジェクトへの投資額は合計165億ドルほどになるとパドマナサン氏は言う。
昨年、計画していたプロジェクトのいくつかは、新型コロナウイルスの感染流行により今年にずれこんだ。そのため、ACWAの2020年のプロジェクト規模は合計35億ドルほどとなった――パンデミックの影響で目標の100億ドルには及ばなかったことになる。
ACWAパワーは13ヶ国に拠点を持ち、ウズベキスタン、エジプト、南アフリカ、インドネシアの再生エネルギープロジェクトの他、サウジアラビアの大規模なプロジェクト・パイプラインにも入札しているとCEOは話す。
「インドネシアではすでに5つのプロジェクトに入札しており、当社が最も低価格であることはわかっている。インドネシア政府が話を進めるのを待っているところだ」
ACWAが、IPOの目論見書に書かれているようにドバイの「拡張本社」を維持するつもりかを尋ねられ、パドマナサン氏はこれまでも本拠地は常にリヤドだったと述べた。
サウジアラビアは2月に、2024年以降は中東の拠点をサウジアラビア以外に置く会社との国家契約は結ばないと発表した。アナリストは、これを観光とビジネスの拠点として優位を誇ってきたドバイへの挑戦と見ている。
「海外展開を進める中、当時はサテライトを(ドバイに)維持する方が効率的だと考えられた。将来的にはリヤドの拠点の方がより大きく成長し続けるだろうと思う。単純に、活動量の多さからだ」と、パドマナサン氏。
「土地はすでに購入しており、オフィス用のスペースをつくろうと考えている。これまでは貸してきたのだけれどね」