



ダイアナ・ファラー
ドバイ:日本総領事館とグローバル・サステナビリティ・ネットワーク(GSN)は1月10日、食料安全保障に関する新たな議論の場を提供するため、食のイベント「テーブル・フォー・サステナビリティ」を開催した。
イベントでは、地元の魚や食材、日本の伝統的な食品の保存法や調理法などを使った日本料理が提供された。
関口昇総領事は晩餐会のスピーチで、「日本とUAEの外交関係樹立50周年を記念するイベント」であることを伝えた。
また、今回のイベントのテーマは、食文化を通じた持続可能性の実現に焦点を当て、3つのサブテーマ(食料安全保障の確保、脱炭素・循環型社会の加速、ディーセント・ワーク機会の創出)を設定したと述べた。
日本の食品会社数社も参加し、GSNの目標に沿った環境に配慮した技術を紹介した。
アラブニュース・ジャパンの取材に応じた北三陸ファクトリーの下苧坪之典CEO(最高経営責任者)は、ウニ養殖の将来像について次のように述べた。
「海の生態系では、海藻の量が減ってきている」と下苧坪氏は説明した。「海藻は地上のほかの何よりも二酸化炭素を取り込むことができるのです」
CEOは、海の中の海藻が少なくなっているのは、ウニが大量に海藻を消費していることが主な原因だという。
下苧坪氏の養殖技術には2つの段階があり、1つ目は成長前のウニに下苧坪氏の配合肥料を与え、成長を促すこと。「10週間でウニは成長し、市場に出荷することが可能となります」
第二段階は、成長したウニを収穫することで、海藻の育成を守れることという。
「このプロジェクトに、投資家を募り、世界規模で関心を集めたいと思う」と語った。
プロジェクトは4月にオーストラリアで始まり、収穫後は輸出を開始する予定だ。将来的には、アラビア湾でのウニの栽培も視野にいれているという。
食を通じたサステナビリティに取り組むもう1つの企業は、株式会社クニヒロだ。同社ゼネラルマネージャーの川崎耕平氏は、アラブニュース・ジャパンの取材に対し、同社は60年の歴史があると述べた。
「当社は日本方面向けに購入、供給をし、カキフライで人気を博しています。また、現在18カ国に輸出しています」と語った。
クニヒロ社は、牡蠣の中身は食用に、外側の殻は水質浄化に再利用するシステムを採用している。
「アフリカやアラブ諸国では、きれいな水を手に入れることは容易ではありません。私たちはこの技術を持っており、ぜひこの地域に輸出したいのです」と川崎氏は語った。「海があれば養殖技術は簡単だし、牡蠣の養殖は海水をきれいにするので、持続可能になります」
また、イベントでは、日本茶インストラクターの三木浩江氏が、マイコティー・ジャパンの製品を紹介しながら、緑茶の素晴らしさを伝えた。
TFSのイベントは、1月11日から12日までドバイエクスポシティで開催される2日間の会議の前夜、GSNの評議員でペトロケム社のCEOであるヨゲシュ・メフタ氏の邸宅で開催された。