
アラブニュース
リヤド:サウジアラムコのグローバル・トレーディング部門は、北米と南米に拠点を拡大するため、米国のモティーバトレーディングを買収した。
アラムコトレーディングカンパニー(ATC)は、モティーバトレーディングの株式100%を取得するとともに、テキサス州を拠点とする子会社アラムコトレーディングアメリカを設立した。
この新会社は、日量63万バレルの民生用・業務用燃料および基油を生産する北米最大の製油所を所有するモティーバエンタープライズの唯一のサプライヤーおよび「オフテイカー(引き取り手)」となる予定だ。
ATCの社長兼CEOであるモハメッド・K・アル・ムルヒム氏は、「モティーバトレーディングの買収とアラムコトレーディングアメリカの設立は、ATCの地理的範囲と事業規模の拡大を目指すと同時に、商品の柔軟性とオプション性をさらに強化するという、野心的なグローバル成長戦略の実行に向けた大きな一歩です」と述べている。
さらに同氏の声明では、顧客が頑丈な炭化水素システムを利用できるようにすることで、将来的にグローバルなバリューチェーンに強みがもたらされることが予測されると述べられている。
アラムコと米国企業の間では今回の契約が最新のものとなっており、アラムコは2022年9月にカリフォルニア州の人工知能技術企業Beyond Limitsと「グローバルAIコリドー」を構築するために、2億5,000万ドル相当の契約を締結している。
グローバルAIコリドーは、複雑なAIソリューションの商業化、サウジアラビアの人材の育成、サウジアラビアのスタートアップ企業に対する支援によって、同国のエコシステムを構築することになる
サウジアラムコと米国の関係は深く、サウジアラムコはヒューストン、デトロイト、ボストンの研究・技術センターや、ニューヨークの本社で数千人のスタッフを雇用している。
また、サウジアラムコは、メキシコ湾岸に北米最大のモティーバ製油所と石油化学工場を所有・運営している。
発表後、サウジアラムコのアミン・ナーセルCEOはブルームバーグに対し、中国からの燃料需要が増加しており、中国企業と石油化学分野への投資について協議していると語った。
ジェット燃料の需要は現在、日量約100万バレルで、パンデミック前の水準を下回っているが、改善されつつある、と同氏は付け加えた。