

ニューデリー:9日、インドはニューデリーで行われている20カ国・地域首脳会議(G20)で、よりクリーンな燃料の使用を促すことを目的とした国際バイオ燃料連合の発足を発表した。
米国とブラジルが創設メンバーに名を連ねる同連合は、植物および動物性廃棄物由来のバイオ燃料取引を促進することにより、ネット・ゼロ排出目標達成に向けた世界的取り組みの加速を支援していく。
「私たちは、国際バイオ燃料連合を発足します。インドはすべての国にこのイニシアチブへの参加を勧めます」、ナレンドラ・モディ首相は、同サミットでG20主要経済国の首脳らに対しそう述べた。
バイオ燃料連合の推進は、万人に利用可能なクリーンで安価な太陽エネルギーの実現を目的に2015年にインドとフランス政府が立ち上げた国際ソーラー連合と同様の動きだ。
国際エネルギー機関(IEA)は7月の報告書において、世界のエネルギーシステムを2050年までのネット・ゼロ排出実現に向けた軌道に乗せるには、世界的に持続可能なバイオ燃料生産を2030年までに3倍に増加させる必要があるという試算を出している。
世界第3位の石油輸入・消費国であるインドは、原油需要の85%を輸入に頼っており、徐々にバイオ燃料の生産量増加能力を高めている。
インドは2070年までのカーボン・ニュートラル実現を目標に掲げており、輸送セクターにおけるバイオ燃料の使用を拡大している。インドは全国規模でのガソリンへのエタノール混合率を倍の20%にする目標の期限を5年間前倒しし、2025年に定めた。
ハルディープ・シン・プリ石油大臣は7月、バイオ燃料連合は世界的なバイオ燃料貿易を促進し、世界規模で各国のバイオ燃料計画に対する知識の共有と技術支援の提供促進に関する具体的なポリシー策定を支援していくと述べた。
インドは穀物の刈り株、植物性廃棄物、地方の固形廃棄物をはじめとする原料から燃料を生産するバイオ燃料精製所を12カ所に建設する計画を立てている。
ロイター