
タリク・アル・タカフィ(TARIQ AL-THAQAFI)、アブハー
サウジアラビア南部のアジールにある樹齢500年以上の木は、幹のひび割れが徐々に進み、傷つき崩落してしまいそうだったが、環境・水・農業省が保全するのに成功した。
幹の周囲にある舗装用セメントが原因で木の組織が傷ついていたが、同省は専門家の助けを借りて、ひび割れや崩落を防ぐために幹と大枝をすべてつなぎとめた。
同省のケナ県支部長であるモハメッド・アル・グライシ(Mohammed Al-Ghuraissi)は、この木は巨大さにおいて他とは一線を画し、木が生えている場所はアジールで何世代にもわたる住民によって守られ受け継がれてきた、歴史的な場所とみなされていると語った。彼は、近くのセメント層が原因で大枝は傷ついたが、修復されたと説明した。
この木は「アルロカ(Al-Roq’a)」(区画)という名前で知られており、長年にわたり人々を保護し、集会や会合、会話の中心となる場所である、とアラブニュースに話してくれた。
同省が実施した最近の調査により、500年を超える樹齢は、歴史学者や重要人物がその巨大な大きさや二股に分かれた根についてしばしば言及していたことから確認できたそうである。
アル・グライシ支部長によると、現在も伸び続ける木の根が井戸を突き破ってしまったが、深さと水消費量で有名なその井戸の状態は良好だとのこと。井戸はこの老木とともに、ケナ県を訪れるあらゆる国の観光客が立ち寄る場所となっているそうだ。
木の学名は「Atteen Al-Binqali」。専門家チームが科学的調査を実施して、樹木の重要な特性、樹齢、木に影響を及ぼす要因を特定した。
幹は外周の長さが7.7メートル、高さが20メートル。鉄砲水から木を守るために、渓谷の方向から支える石や、木の周辺にはケナ市によって建てられた構造物がある。
同支部長によると、木の状態を観察するためにワーキンググループが結成されたとのこと。セメント層が原因で腐った部分を除去した。
木の幹は徐々にひび割れが進み、その結果、崩落寸前で死にかけていたが、ひび割れや崩落を防ぐために、岩や木の腐った部分を除去し、木の幹と大枝をつなぎとめて修復された。
同省の専門家による監督の下、木の安定性を高めるために巨大な枝に支柱を設置し、専門チームが必要な殺虫剤を施して損傷部分を修復したと説明した。