


アシール・バシャラヒール&ルバ・オベイド
ジッダ: コロナウイルスの世界的パンデミックが襲ったとき、一部の国はそれを無視し、他の国ではロックダウンの憂鬱を吹き飛ばすためにバルコニーで歌を歌った。
サウジアラビアでは、ほぼ忘れ去られていた伝統的なボードゲームであるキャロムを購入するために人々がおもちゃ屋に多く訪れ、王国全土ですぐに完売した。
キャロムは、ビリヤードと多くの類似点がある卓上ボードゲームである。世界のさまざまな地域で、さまざまな基準やルールが存在する。
ボードの形状は正方形で、多くの場合、木製の4脚の卓上に配置され、各プレイヤーが正方形の一辺に座る。
ゲームのルール
キャロムは2人のプレーヤー、もしくは各2人ずつからなる2チームで競い合うゲームだ。各チームは開始前にコインの白か黒かが決められ、自分の色のコイン9枚すべてをポケットに落として赤色のクイーンを守れば勝ちとなる。クイーンは、自分の色のキャロムを少なくとも1枚落とした後でなければ狙うことができない。クイーンを落とした後に引き続き自分の色のコインを落とさなければ、落としたクイーンを守ることはできない。
どちらの条件も満していない場合、クイーンはボードの中央に戻される。黒と白のコインは1枚1点、クイーンは5点(世界的には3点)としてカウントされる。得点システムは地域によって異なるが、サウジアラビアのほとんどの地域では21得点(世界的には25得点)したチームが勝ちとなる。
コロナウイルスの蔓延阻止を目的としたロックダウンと夜間の外出禁止令により、サウジアラビア人が退屈しのぎを見つけ出すことを強いられ、キャロムのボードの需要が急増した。
多くの家族にとって、老いも若きも楽しめるボードゲームであるキャロムほど楽しみを持続できるものはない。
キャロムは湾岸諸国の多くの地域、特にサウジアラビアの沿岸地域で人気があり、その魅力は幅広い年齢層に支持されている。
ジッダで在宅勤務をしているエンジニア、マジッド・アル・ドサリ氏は、商品が売り切れる数日前にキャロムのボードを購入できたことを幸運だと考えている。
[caption id="attachment_12738" align="alignnone" width="500"]「私は数週間前に将来の義理の家族と一緒にゲームをしてから夢中になり、自分の家族のためにゲームが欲しいと思っていました」と彼はアラブニュースに語った。
「普段私たちは、昼食の時に集まりますが、今では1日中一緒にキャロムをしています。コーヒーと紅茶を用意して、私の兄、彼の妻、そして私の妹とゲームを楽しみます。」
ジッダに夜間外出禁止令が出た時、アル・ドサリ氏はHarajのウェブサイトを通してゲームを注文した。売り手は、90サウジアラビアリヤル(約24ドル)で2日後に自宅に商品を届けた。
「キャロムボードの価格はその後3倍になり、300~400サウジアラビアリヤルまで上がりました。それらはすぐに売り切れました」とアル・ドサリ氏は語った。
ジッダの市街地にある店舗を含む多くの店では、ボードゲームが在庫切れとなった。
顧客達は現在、サウジアラビアへの配達用にインドから最高のキャロムボードを輸入すると主張するオンライン小売業者のウェブサイトを検索している。
キャロムはラマダン中の夜に行われるのが一般的である。早朝の祈りを捧げるために、家族や友人と共に寝ずに夜を過ごすからである。
ゲームの開始時に、キャロムのメンまたはコインと呼ばれる小さな木製の円盤が、ボードの中央にある円の中に配置される。
白と黒のコイン9つずつがY字型に配置され、黒いコインに囲まれ、中央に赤い「クイーン」が置かれたら、配置は完了したと見なされる。「ストライカー」と呼ばれるパックを使用して指を弾き、キャロムのコインとクイーンをボードの4隅にあるポケットに落とす。
キャロムは、最初にインドの商人を通じてヒジャーズ地域を経由してサウジアラビアに伝わったとされている。
何十年にもわたって、それは王国での社会生活の重要な一部として、家族行事、女性だけまたは男性だけの集会、さらには子供たちの集まりでも行われていた。
サウジアラビアのアーティスト、ナジャ・ムタールは、祖父母が孫とボードゲームをする情景のアートワークを通じて、ヒジャーズとキャロムとのつながりにスポットライトを当てた。
サウジアラビアの人類学者であるサード・アル・スワイヤンは、キャロムについて、サウジアラビア人が何世代にもわたって行ってきたゲームの1つであり、その魅力には年齢を問わないと説明している。
アル・スワイヤンのシリーズである「サウジアラビアの伝統文化」の第12巻において、アラブ諸国およびサウジアラビアの社会生活における人気ゲームとその重要性について敬意が表された。
キャロムへの言及は、サウジアラビア文学にも見られる。2019年にDar Molhimonによって出版された「キャロム」の中で、著者のリハブ・アブ・ザイドは、ゲームのルールは家父長制や父権主義などの問題への議論を促し、ゲームの最初の一打は小説のキャラクターの生活の混乱を解き放つと述べている。
サウジアラビアでは、キャロムのゲームにはいくつかのバリエーションがある。最も一般的なMoneyまたはFuloosは、2人の個々のプレイヤーが互いに対戦する。
プレイヤーは、黒のコインで5ポイント、白のコインで10ポイント、クイーンのコインで50ポイントを獲得することができる。
キャロムの起源
キャロムは世界さまざまな地域でさまざまな形で知られている。カイルム(アラビア語)、カルーム、カロム、クロンヌ、カルム、カラム、そしてフィンガービリヤードなど。
現代の形はインドで発祥したものと考えられている。表面がガラスで作られたキャロムボードが、元藩王国パティアラの宮殿のひとつにある。
第一次世界大戦後にインドの一般庶民の間で非常に人気となり、さまざまな州で大会が開催されるようになった。
世界最長のキャロムマラソンは、インドで34時間45分56秒続いた。第5回キャロム・ワールドカップが2018年に韓国で開催された。
最も多くのポイントを集めたプレイヤーが勝利する。コインの配置は変わる場合もあるが、クイーンは常に中心に置かれる。
ゲームのルールについての知識が、サウジアラビアの家庭で再び求められている。
「私は母と彼女の家族と一緒にキャロムをして育ちました」ジッダ出身の39歳の教師、ナヒド・ノールはアラブニュースに語った。
「ゲームは激しくなりがちでした。集会の過程で、トーナメントが作られていました」。
二児の母親であるヌールは、長年にわたって彼女の家族はキャロムをする習慣がなくなっていたと語った。
ゲームはまれにしか行われていなかった。—コロナウイルスによるロックダウンが始まるまで。
彼女は、家のキャロムボードはボロボロで古いが、非常に貴重であると言う。
「家にあるような高品質のものを見つけることはできないようです。7年前にジッダのおもちゃ屋で、私の母が買ったものだと思います」と彼女は言った。
[caption id="attachment_12739" align="alignnone" width="500"]ヌーア氏によれば、ボードゲームは、緊迫し困難な時期の家族の集まりをより楽しくさせてくれるという。
夜遅くに、家族の冗談、笑い声、そして時には、プレイヤーがトスを失敗したときの失望の悲鳴が響く。
「家族の誰もが仕事と家事を終えた後、やることもなく、皆家にいるのです」と彼女はアラブニュースに語った。
「そこで、私たちは古いキャロムボードを引っ張り出して、再びゲームを始めました」。