

クラレト・モンソラート、ドバイ
お正月が近づくと日本では、伝統的なおせち料理の重要が高まる。コロナ禍による制約がこのまま長引くことを考えれば、小売業者たちは需要が10%近く伸びるのではないかと見込んでいる。
人々がコロナ関連の制約による困難に向き合うなか、日本のデパートやレストランはそのニーズを満たす伝統的なおせち料理を考案している。
たとえば多くの業者は、感染リスクを減らすために、重箱の中身が小さな部分に分かれたおせちの販売を計画している。そしてその小さな部分は、離れた場所にいる親類に簡単に送ることができるのだ。
おせちは伝統的に、できるだけ多くの親せきでお正月を祝うために大家族で家々に集まって食べるものだ。しかし新型コロナウイルスによる制約があり、大家族の集まりは実現しそうになく、消費者たちはより小さな箱詰めを好むと思われる。
マーケティング担当者たちはまた、西洋料理を味わうための西洋風おせちを提供したりもしている。
しかし日本のおせち料理とはいったいどのようなものであろうか。
おせちは伝統的には、神様へのお正月の捧げものであり、家族の繁栄を願って食べるものと見なされている。またここ何十年かは、それを食べる人に幸運や幸せをもたらすものとして販売の宣伝活動も盛んだ。5種、7種、9種の料理を詰めた5段重ねの重箱で、おせち料理として売られている。
上のお重には数の子(ニシンの魚卵の塩漬け)、黒豆(甘く煮た黒い豆)、田作(乾燥したカタクチイワシの砂糖煮)、紅白かまぼこ(魚の練り物)、伊達巻(魚の練り物を混ぜた甘い卵焼き)、栗きんとん(栗の甘煮を裏ごししたサツマイモに混ぜたもの)が入っている。
中のお重にはエビ、レンコン、下のお重にはシイタケ、ねじりこんにゃく、昆布巻き(ニシンを昆布で巻いたもの)がある。
重要なのは、重箱の一番下は何も詰めずに神様の恵みを戴くために使われるところだ。
世界の様々な地域のソーセージなどを詰めた西洋風おせちを提供する業者もある。コロナ禍でお正月を家で過ごすことになる人々のために、多くの業者が50種もの幅広いおせちを準備している。