
近日開催の東京五輪では、黒人生来の毛髪のためにデザインされた水泳帽の使用が禁止される。水泳競技の世界団体は、使用は不適切との判断をした理由として「自然な頭の形に作られていない」と述べた。
英国のブランド、ソウルキャップは、製品使用の公式認可をFINAに求めてきたが、昨年提出した申請が却下された。同社は、太い縮毛のボリュームのある髪を保護できるようにデザインした特大サイズの水泳帽を製造している。
FINAは、「知る限り、国際大会に出場する選手が、そのようなサイズと構成の水泳帽を使用したことはなく、使用する必要もない」という理由から同社の水泳帽の使用を禁止した。
また、「自然な頭の形に作られていない」として、同社の水泳帽は不適切であると述べた。
スイスに拠点を置くFINAは、金曜日、ソウルキャップとその類似品に関する状況を検討中であり、「包括性と表象の重要性は理解している」とした。
FINAは声明の中で、競技上、有利になる水着でない限り、水泳競技のアスリート全員に、適切な競泳用水着の使用を保証することに努めている、と述べた。
FINAの判断に対し、ソウルキャップの創設者であるトクス・アーメド・サラウディーン氏とマイケル・チャップマン氏はインスタグラム上で声明を発表した。水泳競技における多様性と包括性の問題を強調し、今回の状況を後退とは見なさず、「対話を広げ、水泳競技に大きな変革をもたらす」チャンスだと考えている、と述べた。
そして、「当社の水泳帽の競技用認証を目指すことで、水泳競技の多様性に向けた取り組みをさらに進めたいと考えた。あらゆるレベルの水泳選手が、好きなスポーツと毛髪のどちらかの選択を迫られる必要がないようにするためだ。これからのスイマーにとって、競泳界の一員であると感じられること、若いうちにスポーツの中に自分自身を見いだせることは非常に重要だ。FINAの先日の却下の判断は、地元、地域、全国へとレベルアップし、スポーツを追求する多くの若い競技者の気勢をそぐ可能性がある」と続けた。
2人は、黒人生来の毛髪を持つ女性が水泳帽で苦労していることを知り、2017年にソウルキャップを創設した。企業ウェブサイトによると、世界に3万点を超える水泳帽を出荷しているという。
アーメド・サラウディーン氏は、「これからのスイマーにとって、競泳界の一員であると感じられること、若いうちにスポーツの中に自分自身を見いだせることは非常に重要だ」と、オンライン上の投稿で述べた。「草の根の活動や小さなブランドにできることはそれほど多くない。前向きな変化を受け入れるトップが求められている」。
英国代表で唯一の黒人水泳選手として東京五輪のマラソンスイミングに出場するアリス・ディアリング氏は、同社の水泳帽を支持している。
ディアリング氏は、同社のウェブサイトのブログ記事で、「水泳帽をかぶるには私の髪が『大きすぎる』と言われてきた。水泳帽が私の髪には小さすぎるのだと言われたことは一度もない」と語っている。
金曜日、FINAは、レクリエーションや教育目的でのソウルキャップの使用に制限はないと指摘した。そして、同社をはじめとするサプライヤーに対し、水泳を楽しむ機会をすべての人に広げようとする努力に感謝していると述べた。
FINAは、セネガルのダカール、ロシアのカザンにある開発センターで、ソウルキャップ製品の使用について同社関係者と話し合いを進めると語った。
AP