
ワシントン時事: エアライフル射撃10メートル種目の米五輪代表ルーカス・コゼニスキー選手(26)は3日までに時事通信のインタビューに応じ、大会期間中に選手や関係者の行動が制限されることに理解を示しつつも、「街を散策したり、日本の人々と触れ合ったりする機会がないのは残念だ」と心情を吐露した。
コゼニスキー選手の父は、米海兵隊キャンプ富士(静岡県)の指揮官を務めたクレイグ・コゼニスキー元大佐。2011年の東日本大震災発生直後に上層部に被災地支援を訴え、米軍による「トモダチ作戦」の一環として仙台国際空港の復旧作業に駆け付けた。
「父は日本駐留を経験し、日本を愛していた」。自身初めてとなる訪日で、日本食を味わい、文化を体験するのを楽しみにしていた。「16年のリオ五輪では、現地の人々との交流が最も素晴らしい経験だったが、今回は選手村と試合会場の往復だけに行動が限られている」と肩を落とす。
新型コロナウイルスの感染拡大で、ライバル選手らが五輪参加を見送る可能性があることも気掛かりだ。開幕まで数週間に迫る中、大会運営などに不透明さも残る。それでも「どうせこの1年は不確実さの中で生きてきたんだ」と笑う。
コロナ禍の困難な状況下で、五輪の成功に向けて努力している「日本のすべての関係者に感謝している」とコゼニスキー選手。父が観戦に来られないのが残念だが、「日本の観客と少しでも交流できればうれしい」と語った。
時事通信