

アラブニュース・ジャパン
ドバイ:地域社会への社会貢献(コミュニティエンゲージメント)に力を入れる日本国際協力センター(JICE)はアラブ首長国連邦(UAE)の国立ザイード大学コミュニティエンゲージメント研究所(ZUICE)と提携し、同大学のアブダビキャンパスおよびドバイキャンパスでオンラインの日本語学習課程の提供を開始した。
ZUICEはUAEの経済・社会の発展を支援しザイード大学の学術資源をより広く利用できるようにすることで、地域社会が必要とするあらゆる研修プログラムを提供する世界随一の機関となることを目指して2008年に設立された。
入門レベルの日本語学習に焦点を当てた最初のオンライン課程は2021年5月に始まった。その上のレベルとなるビギナー2のオンライン課程は2021年11月21日から提供が始まる。地域社会の需要にもよるが、将来的にはさらに上級の課程の提供も検討されている。
日本とUAEは2018年4月に「包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアティブ(CSPI)」の枠組みに合意し、その中で優先的に協力する分野として日本語教育も掲げられていた。
日本のポップカルチャー、とりわけマンガやアニメはUAEの若者の間でも人気となっているが、専門的な学校教育現場のプログラムを除いて日本語が習得できる機会は非常に限られていた。
こうしたことからZUICEで提供される日本語課程はザイード大学の在校生のみならず、日本好きで日本語習得を希望するUAEの多くの人々に対してより幅広く提供されることを目指すものだ。仕事上のスキルを向上してより良い雇用機会を求める人から単に語学の理解力を高めたい人まで、その対象は様々だ。
ZUICE所長のヌーラ・サーレム・アルカアビ博士は地域社会の教育における外国語の重要性が過小評価されるべきではなく、外国語の習得はその個人だけでなく地域全体に貢献する、と考えている。
「当研究所では現在アラビア語・中国語・日本語・韓国語・スペイン語・イタリア語・フランス語・ドイツ語・ウルドゥー語の計7カ国語が教えられています。ZUICEが最近提供した日本語のオンライン課程にはUAE全土から多くの学生が参加し大きな成功を収めました。日本語学習の需要は依然として高く、私たちも喜んで課程を継続します」と所長は語る。
アルカアビ博士も日本語に大きな興味を抱いており、自身もレッスンを受け5度の訪日経験を持つ。
現在はオンライン課程だが、将来的に日本とUAEの留学生交換を復活させ、日本での対面の日本語教育や日本企業におけるインターンシップ、雇用などを実施し、日本で企業訪問やアラビア語を学ぶ学生と会うために高校・大学を訪問する構想もある。
ザイード大学の大学院生エスラア・アル・カマーリさんはZUICEを通じて日本語を学んでいるひとりだ。グラフィックデザイナーである彼女は子供の頃にアニメを見て日本に興味を持ったという。
「パンデミックの間に新たなスキルを取得し自分を向上できる何かをやりたくかったのです。JICEのインスタグラムの投稿を見て日本語学習課程について知り、登録しました」と彼女は語る。
彼女はいつか日本でアートやデザインを学びたいと考えており、現在の日本語学習がそうした夢の実現に役立つことを願っている。
現在16歳のハムダン・アリ・アルマルズーキくんもZUICEの課程で日本語を学んでいる学生のひとりであり、将来は日本で環境科学・ナノテクノロジー・バイオテクノロジーを学びたいと考えている。「日本で学ぶことはとてもユニークな体験になると思います」と彼は言う。「私に教えてくれているコバヤシ先生はとても素晴らしく、生徒のことを本当によく気にかけてくれ、私たち全員が学ぶことに熱意を持っていることがわかります」と彼は続けた。
JICEアブダビ事務局の青木茂人局長は「最初の2課程は定員が埋まり、受講希望者の登録者数はそれを上回るものでした。日本語学習課程に対する興味が大きいことは大変光栄であり、UAEの地域社会においてこうした機会をさらに広げていきたいと考えています」と語る。
UAEで日本語を学ぶことや日本への留学についてのさらに詳しい情報が欲しい方はJICEアブダビ事務局にお問い合わせを。ウェブサイト: www.jice.org/en(英語版)またはインストグラムをフォロー @jice_koho あるいは電話番号:02 406 9704 (UAE現地番号)まで。
こちらのリンクからZUICEの日本語課程へ直接応募することができる。