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デジタル不動産はメタバースの未来か

仮想世界、ディセントラランドでカンファレンスに参加する、ファテメ・モンファレド氏のアバターのスクリーンショット
仮想世界、ディセントラランドでカンファレンスに参加する、ファテメ・モンファレド氏のアバターのスクリーンショット
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19 Feb 2022 02:02:46 GMT9
19 Feb 2022 02:02:46 GMT9

ナダル・サモーリ

大阪:VRの未来を信じて生まれたメタバースは、ソーシャルプレゼンスとバーチャルリアリティの交点となる。3D仮想世界のネットワークであり、コミュニティを形成することで社会的な関係性を育むものである。現実の世界と同様、風景の上の建築物と、その間で起こる社会的な相互作用によって定義される。人々がデジタル所有権に関心を持つようになれば、メタバースに存在する不動産は、価値ある資産となる。

「バーチャル不動産とは、メタバースと呼ばれる仮想空間内の不動産を指します。メタバースのおかげで、現実世界で土地を所有し、個人、またはビジネス上のプロジェクトを展開するのと同じことが、仮想次元でもきるようになりました」と、メタバース建築家でNFTアーティストのファテメ・モンファレド氏は語っている。

仮想世界、ディセントラランドでカンファレンスに参加する、ファテメ・モンファレド氏のアバターのスクリーンショット

メタバースは、人々が「現実の」経済的利益のための仮想的な取引を行うことで生じる仮想経済によって成り立っている。例えば、不動産の購入は「オープン・セントラル・マーケットプレイス」と呼ばれる取引所で、デジタルまたはバーチャルの土地を購入するために、現実の価値を伴う仮想通貨を支払うことで行われる。これらの仮想不動産とその建築物は、いつでも換金可能な仮想通貨で販売したり、レンタルしたりすることができる。

「それぞれのメタバースは、独自の土地、不動産、時には世界のマップを持ちます。私はメタバース内の建築家として、現実世界と同様、その土地に会社の本社やアートギャラリー、コンサートホールなどの建物を設計し、建築した経験があります。このように、仮想世界でできることの境界や限界、仮想不動産の種類は常に進化しています。その中でも面白いのが、『ミックスド・リアリティ』です。いくつかのメタバースでは、現実世界に存在する物件のバーチャルな所有権を購入することさえ可能です」

『ザ・サンドボックス』では、プレイヤーは、ブロックチェーンベースの仮想世界で不動産を購入して開発できる。各ピクセルは、換金可能な資産である。

シムシティのようなゲームとは異なり、『ディセントラランド』・『ザ・サンドボックス』・『ロブロックス』などのメタバース空間は、リアルな取り引きが行われていることから、もはやゲームとは呼ばれず、プラットフォームと呼ばれている。中には数十万ドルで購入される土地もあり、この流れがさらなるイノベーションを生み出している。例えば「1Block」は、日本のバーチャルプラットフォームであるが、バーチャルファッションマーケットプレイスとして特別なショッピング体験を提供している。バーチャルなフロアでショップを訪れ、スニーカーなどのファッションアイテムを購入し、バーチャルに試着することも可能だ。

おそらく、バーチャル不動産に対して価値を見いだせず、疑問を抱く人も多いだろう。「漠然とした土地に、どんな魅力があるというのだろうか」と。

モンファレド氏は語る。「バーチャル不動産、メタバース、NFTについては、懐疑的な意見が多く見受けられます。これは、未知のものへの恐れと、これらのトピックに関する知識不足から来るものだと思っています。私の経験から言うと、このような状況を打開するには、テクノロジーがもたらす可能性に注目するのが一番だと思います。世界全体がバーチャル的なものへとシフトしており、この流れは新型コロナウイルスの影響によって確実に加速されました。私の考えでは、この変化は必然であり、好むと好まざるとにかかわらず、最終的には私たちの現実になるでしょう。だからこそ、私たちはその創造のプロセスに参加し、最高の形にしていくことが重要だと考えています」

疑問が湧くだろう。技術が斬新すぎるのでは?バーチャルランドの価値が崩壊したら?また、多くのプラットフォームが競争している中で、最終的にどのプラットフォームが勝つのかわからない中で、どうやって1つのプラットフォームに資金を投資することができるのだろうか?

モンファレド氏は語る。「バーチャルランドの価値は、現実の不動産と同様に変動するでしょう。しかし、ゼロに戻ることはおそらく無いと考えています。一度動き出した歯車は、二度と戻らないと思います。現在、多くのプラットフォームやメタバース関連企業が業界に参入しています。中には、突出した成功を収める人たちもいるでしょう。とはいえ、これからの時代は『インターオペラビリティ(相互運用性)』に尽きます。つまり、1つのプラットフォームが勝者となり、他のプラットフォームが消滅する時代は終わります。すべてのプラットフォームを1つのオープンなメタバースに接続し、そのポータルを介してメタバース間を移動できるようなシステムが必要になるのです。これらのプラットフォーム間で資産を移動させることができるのが理想でしょう」

では、どのようにしてバーチャルな不動産を購入し、友人や顧客を呼び込むことができるのだろうか。

「メタバースで不動産を購入する前に、自分の『バーチャルプレゼンス』で何を実現したいのか、明確な戦略を持つことが重要だと思います。『ロブロックス』などのプラットフォームは全世界で4700万人のデイリーアクティブユーザーを抱えており、メタバースはすでに多くの人々を魅了しています。ここでの課題は、そのようなユーザーを自分のプロジェクトに引き寄せるための戦略を立てることです。私はこのビジネスの未来にワクワクしています。そして、様々な業界がメタバースにどのように適合するか、あるいは自分の居場所を見つけることができるかを探っています」

デジタル化はバーチャルの世界でも進行している。専門家は確かに、よりデジタル化された未来を予測しているだろう。それにもかかわらず、この爆発的なVRバブルは時間の経過に耐えられるのだろうか。もしそうだとしたら、これらすべての変化の結果として訪れるかもしれない、予期せぬ結果は何であろうか。また、物質ではなく目に見えないコードで不動産を購入する時代になったときに、建築物にはどのような変化が訪れるのであろうか。

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