


アラブニュース
ジェッダ:現在、ラリー・ジャミールが初開催中である。運営チームは今、イベント期間中の全員の安全確保、ラリーコースの走行、参加者のケアに忙しくしている。大規模な運営チームには、イベントの円滑な進行を目指して働く多数の女性がいる。
このイベントは、アブドゥル・ラティフ・ジャミール・モーターズ主催の新たな取り組みである。近代的かつ進歩的な国家は社会のすべての成員に自信と権限を与えなければならない、とするサウジアラビア王国のビジョン2030の下で、女性たちはラリー・ジャミールの舞台裏に深く関わってきた。中には、イベントの日常業務や全体の成功に欠かすことのできない重要な役割を担う者もいる。
「私はラリーの最高医務責任者ですので、大会の参加者および主催者全員の医療面での安全に責任を負っています」と、アハド・アル・サウード医師は述べた。同医師はサウジアラビアのシニアドクターであり、サウジアラビアF1グランプリの最高医務責任者、サウジアラビアのFIAメディカル・デリゲート、そしてサウジアラビア・マーシャルズクラブ代表でもある。
「参加者全員が無事に競技を終えてラリーが大成功するよう願っています。ラリー・ジャミールで走ることができて、参加者は本当に幸運だと思います。アラビア語でジャミールとは、「美しい」を意味する言葉であり、これは本当に美しいラリーです」
事務局には、モータースポーツの経験がない、あるいはスポーツイベントに携わったことすらないメンバーもいる。舞台裏に関わった中には、レースあるいはラリー競技を今回、初めて体験する女性もいる。こうした女性たちにとって、ラリー・ジャミールは刺激的な新しい体験となっている。
「一般的にラリーやレースに関わることがない女性がこのスポーツの場へ参加できるようにする上で、当イベントは草の根レベルで非常に重要です」と、モータースポーツ界の著名な女性リーダーであるアセール・アル・ハマド氏は述べた。同氏は、サウジアラビア自動車連盟初の女性メンバーであり、FIAメンバーでもある。
ラリー・ジャミールは、FIAのウィメン・イン・モータースポーツ委員会による支援を受けており、新しい女性ドライバー、ナビゲーター、オーガナイザーを育成・採用し、将来の国内大会や国際選手権への参加に向けてそうした女性たちを備えさせることを目指す。
大会前には、全てのチームがイベントに備えて厳しいトレーニングプログラムを完了した。より幅広いモータースポーツ界出身の経験豊富な女性たちが一部の実施を担当したこのトレーニングでは、ロードブックのナビゲーションから安全管理、サンドリカバリー、そして一部の参加者にとって初となるドライビングイベントを完遂する方法における一般的なヒントまで、あらゆる事を網羅した。
ジャミール・ラリーの着想は最初に、アメリカで大成功を収めたレベル・ラリーから生まれた。これをベンチマークとして、米国から出場者を呼び込み、またラリーの組織の一部を支援してもらうため、主催者はレベルの運営チームメンバーと協働している。イベントチームのメンバーは、ラリーのためにはるばるサウジアラビアまでやってきた。
「イベント幹事の1人として、ラリー・ジャミールに参加できたことを嬉しく思います。サウジアラビアの女性にとって極めて重要な瞬間に、支援する気持ちを表わすことは非常に重要です」と、レベル・ラリーの創設者兼ディレクターであるエミリー・ミラー氏はコメントした。
「女性の地位向上のためのドライブと同様に、モータースポーツとアドベンチャーへの情熱を共有し、ラリー主催者と協力することも素晴らしいことです。ラリー・ジャミールの今後がとても楽しみです」
スピードテストとして設計されていないナビゲーションラリーは、中北部の都市ハイルから始まり、カシム州の各地へと向かう。その後、隠れたチェックポイントとチャレンジを経由して首都リヤドへと進む。
地元の人々は、毎年開催されるGCCモータースポーツカレンダーで人気のイベントとなることを期待されるこのイベントに参加し、楽しむよう強く勧められている。