
アラブニュース
ロンドン:任天堂は14日、東京のCG制作会社ダイナモピクチャーズの「発行済み株式を100%」を取得する契約を交わしたと発表した。
声明の中で、任天堂は買収の目的を「当社グループの映像コンテンツの企画・制作体制を強化」し、「任天堂の知的財産を利用した映像コンテンツ」の開発に専念するためと説明している。
10月3日の株式取得を目指しており、買収に伴ってダイナモピクチャーズの社名を「任天堂ピクチャーズ」に変更するとみられる。
2011年に創業したダイナモピクチャーズは、短編アニメ「ピクミン」(任天堂とのコラボ)のほか、「攻殻機動隊」「デス・ストランディング」「モンスターハンター:ワールド」「ファイナルファンタジーXIII-2」「ペルソナ5」「ユーリ!!! on ICE」「アーヤと魔女」など数多くの作品を手がけている。
任天堂は2023年春に「スーパーマリオブラザーズ」シリーズのアニメ映画を劇場公開する予定で、大きな期待が寄せられているが、そうした中での今回の発表となった。
30年間で初めてのマリオ映画となるこの作品を手がけるのはイルミネーション(ユニバーサル・ピクチャーズ)で、クリス・プラットやセス・ローゲン、アニャ・テイラー・ジョイらが声優を務める。
任天堂の買収は、他のゲーム企業が映画・テレビ産業への関心を示す中で発表された。
ソニーは今年、ゲーム「アンチャーテッド」に基づいた映画を公開しており、「The Last of Us」シリーズを原作とするドラマもHBOが制作中だ。
2021年にはRiot Gamesが、人気オンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」から派生したアニメ「Arcane」でネットフリックスにデビューを果たした。
セガも映画・アニメ業界に進出しており、複数の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」作品を公開したほか、現在制作中の作品もある。
今回の映像制作会社買収によって、任天堂は自社コンテンツをつくる自由を手にすることになり、自社ゲームに基づいた映画やテレビ番組を自前で制作する未来への足がかりとなる可能性が高い、と専門家は見ている。