
ラワ・タラス
アブダビ:中東最大の印象派展、開館5周年となるルーヴル・アブダビで開幕
2023年2月5日まで開催する当展「印象派:現代への道すじ」は、クロード・モネ、エドゥアール・マネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、カミーユ・ピサロ、ベルト・モリゾ、ギュスターヴ・カイユボットなど印象派を代表する画家の100を超える絵画および銅版画を扱う。
軽やかさ、儚さ、筆の柔らかいストロークで知られる印象派は、現代化に急速に向かい社会的な変化が渦巻くパリで1870年代に始まった。
この革命的な芸術運動は今日にいたるまで幅広く称賛されている。
当展の共同キュレーターを務めるステファン・ゲガン氏はアラブニュースに次のように語った。
「印象派の作品と向き合うと、今でも非常に新しく感じられます。これは、印象派の絵画が直接的であり、のびのびとしたものであるためです。まるで画家の目から覗いているような感覚なのです」
しかし、1874年に第1回展を開催した印象派は当時、急進派と見なされていた。
高く評価されていた古典芸術の制約を無視したものだったため、プレスや批評家の一部から辛辣な批判を受けた。
ゲガン氏は次のように述べる。
「議論を巻き起こすものでした。より懐疑的な者はこのような絵画そのものを批判しました。まるでスケッチのような未完成作品だ、と受け取られたのです」
ゲガン氏はさらにこう続ける。
「印象派第1回展への否定的な反応を要約すると、印象派画家は当時、来館者やアマチュア鑑賞者を笑いものにしようとしているのではないか、と受け取られたとも言えると思います」
印象派画家たちは、鮮やかな絵画を通じて社会を映し出す役割を果たしたという側面があった。
印象派といっても、洗練された鉄道駅や橋、田舎での屋外の社交の様子、エレガントな装いの女性、趣味の良い家の内装など、作品の描写対象は多様である。
ゲラン氏は言う。
「フランスおよび欧州は非常に現代的な社会へと変容しており、それに従って画家たちは描く対象、つまり外の世界の見せ方を変化させていったのです」
都市化と自然を描くテーマの探求以外にも、1800年代後半の5つの装いを描き、ファッションを絵画の世界に持ち込んだ。
ゲラン氏は「ファッションと現代絵画にはあるつながりが存在します。
両者とも、現代性が持つ変遷の側面に呼応している点です」と述べる。
フランスとアラブ首長国連邦による今回の文化イベントの実現は、パリの有名なオルセー美術館との異例のコラボレーションにも依るものであり、数多くの所蔵作品をアラブ界へ貸し出すのは初の試みとなる。
マネ作「バルコニー」、モリゾ作「ゆりかご」、そして「印象派の父」と称されるモネによるロンドン国会議事堂を描いたアイコニックな作品などが目玉となっている。
ゲラン氏によると、「私たちはアブダビおよび当地域からの来館者のみなさまにも鑑賞いただける機会になるようにと、この素晴らしい名作シリーズを企画しました。傑作を見る機会は、常に有益なものです」