
アル・ライヤーン(カタール): 森保一監督は29年前、サッカー日本代表チームのミッドフィルダーとして「ドーハの悲劇」を身をもって体験した。
そして監督となった今、その雪辱を果たした。
ワールドカップ日本代表は1日、ハリーファ国際スタジアムで2010年優勝国のスペインを2対1で下し、グループリーグ突破を決めた。先週には2014年優勝国のドイツに同じ得点、同じ会場で勝利している。
スペインに対しリードしたまま残り時間が少なくなる中、森保監督は1993年のカタールでのイラク戦のことを考えていた。日本代表がその翌年の本大会出場を逃した試合だ。
森保監督はスペインに勝利を収めた後、「最後の1分くらいにドーハの記憶が出てきました」と語った。
1993年、予選最終戦を2対1でリードしていた日本代表は、1点取られたら終わりだということが分かっていた。ロスタイムでその1点を入れられ、彼らのワールドカップ出場は夢と消えた。同時に、森保選手が世界最大のサッカー大会でプレーするチャンスもついえた。
今回は違った。今回はディフェンスが持ちこたえた。今回は54歳となった森保監督はグループEを突破してハッピーエンドを飾った。
森保監督はチームの前向きなディフェンスを褒め称え、「時代は変わったんだなと。選手たちは新しい時代のプレーをしてくれているなと思いました」と語った。
日本代表のピッチ上での抵抗は、34歳のキャプテン吉田麻也のプレーに最もよく表れていた。ベテランのセンターバックである彼は、90分目にマルコ・アセンシオのシュートをゴールキーパーの権田修一がブロックした後にゴールのすぐ前でこぼれ球が弾んだ時、誰よりも速く反応したのだ。
吉田は体を捻ってフェラン・トーレスに先んじクリアした。数秒後、スペインのフォワード、ダニ・オルモがボールを奪ってシュートを放つと、権田が息詰まるようなダイブでブロックした。
攻撃面では、日本は48分と51分に得点した。ドイツ戦でのゴールは75分と83分だった。
スペイン代表のルイス・エンリケ監督は、「10分で我々は崩壊してしまった」と語った。
トーナメントの最初の相手は、4年前のロシア大会で決勝に進んだクロアチアだ。5日に勝てば、日本は初の準々決勝進出を決めることになる。
森保監督は、「日本の皆さんに勝利を届けられて嬉しく思います」と話した。
AP