
鹿児島県・屋久島沖で米空軍のCV22オスプレイが墜落した事故で、事故機はプロペラを上に向けたヘリコプター状態で飛行中にエンジンから出火した可能性が高いことが2日、関係者への取材で分かった。自衛隊や海上保安庁は行方不明となっている乗員7人の捜索を続けるとともに、海中に沈んでいるとみられる機体の発見を急ぐ。
オスプレイは左右の主翼両端にプロペラと一体になったエンジン部があり、角度が調整できる。プロペラを上に向ければヘリのような垂直離着陸が可能で、前に倒せば固定翼機のように高速飛行ができ、双方の利点を併せ持つ。
事故機は屋久島空港へ緊急着陸を要請した約5分後に、岸から約1キロの海上に墜落したとみられる。左エンジンの出火が目撃され、関係者によると、機体が横回転していたとの情報もある。
同型機を運用する陸自の関係者によると、オスプレイは固定翼モードでは、片側のエンジンが止まっても飛行継続が可能。両方の推力が失われた場合でも、滑空して不時着できるという。
一方、ヘリモードでは、二つのプロペラを逆向きに回すことで姿勢を安定させているため、片方が止まると、機体が横回転するなどして制御できなくなる恐れがある。エンジン停止状態でプロペラを回転させ軟着陸する「オートローテーション」も可能だが、異常発生後速やかに実施しなければならない。
事故機は緊急着陸に備えてヘリモードに移行した後、エンジンに深刻なトラブルが生じた可能性もあり、米軍などが詳しい経緯を調べる。
時事通信