
自民党最大派閥・安倍派の政治資金パーティー収入の裏金化疑惑を受け、岸田文雄首相(党総裁)は13日の記者会見で、同派所属の政権幹部を交代させる人事を14日に実施する方針を表明した。松野博一官房長官の後任に岸田派の林芳正前外相(62)を充てる方向で最終調整。高木毅国対委員長の後任には無派閥の浜田靖一前防衛相(68)の起用を検討している。
首相は会見で「国政に遅滞を来さないよう全力を挙げなければならない。14日に速やかに人事を行う」と強調。会見に先立ち、公明党の山口那津男代表に電話し、辞表取りまとめを伴う内閣改造ではなく、辞任閣僚の補充人事とすると説明した。
首相は松野、高木両氏に加え、萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業相、鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相を交代させる方針。茂木派の加藤勝信前厚生労働相(68)、岸田派の田村憲久元厚労相(58)に加え、無派閥の梶山弘志幹事長代行(68)、斎藤健前法相(64)、後藤茂之前経済再生担当相(68)らの要職起用が浮上している。
萩生田氏は近く辞表を提出する意向だが、首相は22日を目指す2024年度予算案の決定まで受理を先延ばしする方向で検討している。
一方、世耕弘成参院幹事長は辞任する意向を固め、政権関係者に伝えた。これを受け、自民参院執行部は後任の調整に入った。首相は堀井学内閣府副大臣ら安倍派所属の副大臣5人も交代させる意向で、人選を急いでいる。
時事通信