1月9日、マグニチュード6.1の地震が、全人口の32.8%が65歳以上の高齢者であるこの地域を襲った
佐竹教授は、地震活動は今後も続くとみられることから、能登半島の住民に警戒を強く呼びかけた
東京大学の地震研究者である佐竹健治教授は、日本の中部地方に位置する能登半島の北東部の断層に沿って強い揺れが発生した場合、新潟県に津波が到達するおそれがあると警鐘を鳴らした。
政府の地震調査研究推進本部の専門家もこの見解に賛同し、半島の西部から北東部にかけての既知の断層(2つの岩盤が接する破砕帯)が地震活動に関与している可能性がきわめて高いとした。
地震や津波の予測は困難だ。大地震の前兆として、小規模地震が頻発する場合もあれば、こうした前兆がまったくない場合もある。だが、佐竹教授は津波のパターンの観測と分析に基づき、断層の動きを特定することに成功した。
これにより、半島の北部沿岸とその周辺で大規模な断層の動きがあったことがわかった。一方、北東部沿岸の断層はほとんど動いていないと、佐竹教授は指摘する。
1月9日、マグニチュード6.1の地震が、全人口の32.8%が65歳以上の高齢者であるこの地域を襲った。
佐竹教授は、マグニチュード7級の揺れが生じた場合、高さ約3メートルの津波が佐渡島を含む新潟県の沿岸部に到達するおそれがあると警告する。
能登半島を襲った直近の津波では、家具、タイヤ、木材の破片が一帯に散乱したものの、過去の避難訓練が効果を発揮した。
「奇跡ではありません。訓練が役に立ちました」と、能登半島の先端に位置する石川県珠洲市三崎町寺家下出地区のある住民は語る。
佐竹教授は、地震活動は今後も続くとみられ、震源となりうる地域が広いことから、能登半島の住民に警戒を強く呼びかけた。
1月16日の石川県の発表によると、1日の地震による行方不明者は26人、死者は222人となっている。