
岸田文雄首相(自民党総裁)は5日の衆院内閣委員会で、派閥裏金事件を巡る森喜朗元首相への聞き取りを今週に入って自ら行ったと明らかにした上で、「(裏金づくりへの)具体的な森氏の関与を確認することは何もなかった」と改めて強調した。立憲民主党の山岸一生氏への答弁。
首相は「今週の頭の段階で、電話を通じて私が話を聞かせてもらった」と説明。萩生田光一前政調会長の処分について森氏とやりとりしたかどうかを尋ねられたのに対し「それはなかった」と応じた。それ以外の内容は明かさなかった。
首相はまた、「政治資金規正法の改正をこの国会で実現するなど、政治改革へ努力を続けたい」と語った。共産党の塩川鉄也氏への答弁。
一方、自民の浜田靖一、立民の安住淳両国対委員長が国会内で会談。安住氏は衆参両院に近く設置される政治改革特別委員会に首相が出席し、処分の基準などを説明するよう要求した。自民は持ち帰った。安住氏は記者団に「解散・総選挙をするしかない。国民に問うしかないところに来ている」と述べ、衆院解散に踏み切るよう要求した。
自民、立民両党の参院国対委員長も会談し、来週中の政治改革特別委設置も視野に調整を進めることで一致した。
勧告を受けて自民を離党した世耕弘成前参院幹事長は5日、安倍派の参院議員との会合に出席。この後、記者団に「『処分の根拠は何なんだ』など具体的な質問も出た。心からご迷惑をかけたとおわびさせてもらった」と語った。
時事通信