
オーストラリア・ニューカッスル:日本が最新鋭の軍艦をオーストラリアに派遣した。これは、同国が次世代の汎用フリゲート艦の建造契約(総額65億ドル)を獲得するための重要なキャンペーンの一環だ。
日本の海上自衛隊所属のモガミ級ステルスフリゲート艦「JSヤハギ」は、オーストラリアのノーザンテリトリーにあるダーウィン港に停泊している。これは、オーストラリアとの防衛協力強化と日本海上自衛隊技術の展示を目的とした象徴的かつ戦略的な動きと見られている。
三菱重工業が率いる日本の提案は、11月にオーストラリア海軍のSEA 3000フリゲート艦プロジェクトの最終候補に選出され、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズが提案するMEKO A-200と競合している。
オーストラリア政府は今年中に優先設計を選定し、11隻の新造艦の建造は翌年に開始される予定だ。
日本は、オーストラリア海軍向けにフリゲート艦を共同開発、生産する予定だ。
防衛産業の強化
軍事力増強の一環として、日本は、英国やイタリアとの次世代戦闘機などの共同開発や、摩耶級艦などの海外販売の推進など、主に国内防衛産業の強化を推進している。
その決意と多額の投資を表明するように、日本は、自国の海軍調達よりもオーストラリア海軍の受注を優先すると約束している。
中谷防衛大臣は、このプロジェクトは、日本とオーストラリアの協力関係をさらに深めるだけでなく、日本の軍艦の能力強化にもつながる、と述べた。
日本の「摩耶」級は、高度な戦闘システム、対潜水艦戦能力、対空戦能力、対機雷戦能力を備え、約 90 人の少人数の乗組員で運用できるため、オーストラリア海軍が直面している人員確保の問題の解決にも役立つ。
同艦の艦長である田村雅良氏は、乗組員の削減は「摩耶」級の目標だったと述べた。
田村氏はオーストラリア放送協会(ABC)に対し、「海上自衛隊は、ステルス性、乗組員の削減、そしてやや小型の艦艇が必要だと考えた」と語った。
軍事関係の緊密化
JS 矢珑のダーウィン訪問は、海上安全保障と航路の安全の重要性を強調するキャンベラと東京間の戦略的協力の強化の中で行われた。
このフリゲート艦の到着は、地域安全保障における日本の役割の拡大と、オーストラリアなどの主要パートナーとのより緊密な連携を望む日本の姿勢の表れとも見られている。
2024年9月、オーストラリアと日本は、中国の日本の領空および領海への侵入という共通の懸念に対処するため、合同軍事演習を増やすことで合意した。
その2か月後、オーストラリア、日本、米国の国防大臣は、ダーウィンで3カ国協議を行い、安全保障関係の強化とオーストラリア北部における合同軍事作戦の計画について、その決意を改めて表明した。
また、日本の海上自衛隊部隊は、ダーウィンで米海兵隊が実施する年次訓練ローテーションに参画することになった。
AP