
岸信夫防衛相は25日のインタビューで、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているとして、「日米同盟の重要性はこれまでになく高まっている」と述べた。敵基地攻撃能力の保有については総合的に検討する考えを示した。
―日米同盟をどう深化させるか。
厳しさを増している安全保障環境の中で、日米同盟の重要性はこれまでになく高まっている。同盟の抑止力・対処力の一層の強化を図っていきたい。(政府が導入を断念した)「イージス・アショア」の代替案についても、構成品を移動式の洋上プラットフォームに搭載する方向で引き続き米国と緊密に連携して検討していきたい。エスパー国防長官をはじめ国防省関係者と直接対話する機会も必要だ。訪米も含めて考えていきたい。
―米軍普天間飛行場の辺野古移設は「唯一の解決策」との考えか。
問題の原点は、住宅や学校に囲まれて世界一危険とも言われている普天間飛行場の危険性除去と返還だ。危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない。日米同盟の抑止力維持と危険性の除去を併せて考えたときに、辺野古移設が唯一の解決策だ。
―ミサイル阻止能力や敵基地攻撃能力は必要と考えるか。
全体的なことを考慮しながらミサイル阻止も進めていかなければいけない。ミサイルの長射程化が進む中で対応していく技術も必要だし、総合的に考えていかなければいけないと思うが、わが国を守るために必要な能力は確保していかなければいけない。
―国内の防衛産業を保護するために何が必要か。
何よりも人材の確保が重要だ。これまでの陸海空の分野に加えて、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域も加わってくるので、それに対応できる人材の確保が必要だ。
JIJI Press