

ダイアナ・ファラー、ドバイ
日本の安倍晋三前首相は慌ただしい一年を送った。それはサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンへの歴訪を皮切りとした。
この1月、安倍氏はサウジアラビアに到着後、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会見し、両国間の相互関係について話をした。
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は訪問中の安倍晋三首相と会見し、日本海上自衛隊の駆逐艦と哨戒機の中東派遣に対し、全面的な支持を表明した。
安倍氏はMSDF ミッションについても皇太子からの全面的な支持を得た。このミッションは中東地区における日本関連の船舶の安全な航行を確保するために情報収集を行うことを目的とするもの。
MSDF のP-3C哨戒機2機が1月にミッションを開始し、MSDF の駆逐艦「たかなみ」が2月2日に中東へ向けて出航した。
その後両指導者は、中東の安定と和平を確立するための努力を続けていくことで合意した。
この歴訪中日本の安倍前首相はアル・ウラーを訪れ、古代ナバテア王国の史跡を巡った。その後一行はUAE とオマーンへ向かった。
安倍氏はリヤドでサウジアラビアのサルマン国王とも会見し、今年サウジアラビアが主催国を務めるG20の成功に向けて協力することを約束した。40分間のこの会談中、国王はサウジアラビアと日本が、エネルギー分野のみならず、様々な分野における戦略的提携関係を深めていくことを期待していると述べた。
安倍氏一行はUAEでアブダビ皇太子兼UAE軍副最高司令官ムハンマド・ビン・ザーイド氏に迎えられ、両者は中東における緊張緩和のために両国の外交関係を強化する努力について話し 合った。
さらに両者はアブダビ最高石油評議会との間でUAE-日本戦略的エネルギー協力協定に調印した。
WAMの報道によると、同協定はアブダビ国営石油会社(ADNOC)と日本の資源エネルギー庁が主体となり、日本の貯蔵施設に800万バレル以上の原油備蓄を確保するというもの。
この新協定の規約により、最初の3年間、ADNOC は日本の貯蔵施設に原油を備蓄し、それは顧客へ売却することもできるが、当面の間日本で石油不足が起きた場合に一定量の原油が確保されることになる。
日本は ADNOCの最大の原油・天然学製品輸入国であり、日本の原油の約25%がUAEからの輸入となっている。
安倍氏のアラブツアーの最終地点オマーンでは、長年君臨していたスルタン・カブース国王の死後に後継となったハイサム・ビン・ターリク国王と会見した。
安倍氏はスルタン国王の逝去に対する弔意を述べた。日本の外務省の声明によると、両者は中東の安定のために協力し両国関係を強化していくことにも合意したという
安倍氏は8月下旬に慢性疾患のため急遽退陣を表明した。彼は世界各国の指導者たちとの個人レベルの関係や、サウジアラビアのサルマン国王やムハンマド・ビン・サルマン皇太子といった人々、並びに米国のドナルド・トランプ大統領との関係を維持する手腕について知られて いた。
今や新たに選出された菅義偉首相と菅内閣の外交政策に世の中の注目が集まっている。菅首相は今週はじめにベトナムとインドネシアへ初の外遊を開始したところだ。